PR

9業務で判定|介護職が向いてない・辞めたいのは適性か職場か【2026年版】

悩みを解消する
記事内に広告が含まれています。
介護施設の休憩室で業務日誌を見ながら考え込む介護職員

「利用者さんにうまく関われない。自分は介護職に向いてないのかもしれない」。そう感じて辞めたいと思ったとき、その「向いてない」が自分の適性の問題なのか、今の職場の問題なのかで、取るべき道は変わります。

前の介護の職場を辞めた理由を介護職員に聞いた調査では、「自分に向かない仕事だったため」は6.5%にとどまり、「職場の人間関係」27.3%、「事業理念や運営のあり方への不満」21.0%のほうがずっと多くなっています(介護労働安定センター、令和7年度調査)。結論から言うと、つらさの中心が人間関係や施設の方針なら「施設を変える」、特定の業務なら「施設形態を変える」、どの施設でも避けられない業務なら「介護内の別職種か介護の外へ移る」のが筋の通った選び方です。

この記事は、特養・老健・デイ・訪問介護・グループホーム・有料老人ホームで働く介護職員向けに、9つの業務の判定表、施設形態6種の比較、介護経験が活きる転職先の求人数をまとめました。今の職場に辞めると言い出せない人は、途中の4問フローチャートで退職代行を使うかどうかも決められます。

介護を辞めた理由で「向かない」は6.5%:データで見る本当の理由

介護労働安定センターの令和7年度介護労働実態調査では、いま介護の仕事をしている人のうち、直前の仕事も介護関係だった6,163人に、前の職場を辞めた理由を聞いています(複数回答)。結果は次のとおりです。

前の介護の職場を辞めた理由(上位と「向かない」)割合
職場の人間関係に問題があったため27.3%
勤務先の事業理念や運営のあり方に不満があったため21.0%
他に良い仕事・職場があったため17.2%
収入が少なかったため15.7%
自分の将来の見込みが立たなかったため12.4%
勤務先に仕事上の悩み事の相談ができなかったため7.2%
自分に向かない仕事だったため6.5%

出典:介護労働安定センター「令和7年度 介護労働実態調査 結果の概要」図表3-2-1(2026年10月確認)

この調査の回答者は「介護の職場を辞めたあと、また介護の仕事に就いた人」です。介護の仕事から完全に離れた人は入っていないため、6.5%をそのまま全体の数字とは言えません。それでも、介護の仕事を続けている人の多くは、仕事そのものではなく職場を理由に前の施設を辞めていることは読み取れます。

「向いてない」と感じる場面の多くは、人手と職場の体制から来ている

同じ調査で、働いている介護職員が感じている悩みや不満は「人手が足りない」52.3%、「仕事内容のわりに賃金が低い」38.1%、「身体的負担が大きい」23.9%、「精神的にきつい」19.6%の順でした。仕事の満足度でも「人員配置体制」がマイナス18.5ポイントと最も低くなっています。人手が足りない職場では、1人あたりの介助が急ぎ足になり、利用者とゆっくり関われない自分を「向いてない」と責めやすくなります。

辞めた理由に「人間関係」を挙げた人に中身を聞くと、「上司や先輩からの指導や言動がきつかったり、パワーハラスメントがあった」が45.8%で最も多くなっています。きつい指導を毎日受けていれば、誰でも自分が向いていないように感じます。

出典:介護労働安定センター「令和7年度 介護労働実態調査 結果の概要」図表3-2-2・5-3-1・5-6-1(2026年10月確認)

データから言えること

「向いてない」と感じたら、辞めるかどうかを決める前に、つらさの原因が「業務そのもの」か「今の職場の体制や人」かを分けてください。次の章の判定表で、9つの業務ごとに分けられます。

9業務の判定表:「向いてない」は適性か、職場か

介護職員の仕事を9つの業務に分け、「施設形態や職場を変えれば軽くなりやすいか」と「介護の仕事から離れることを考えてよいサイン」を並べました。◎は職場を変えると大きく変わりやすい業務、△は介護職員である限りある程度は避けにくい業務です。施設ごとの差は大きいため、目安として使ってください。

業務向いてないと感じやすい場面職場を変えれば軽くなりやすい職場介護を離れることを考えてよいサイン
身体介助(移乗・体位交換)腰痛、体格差のある利用者の介助○デイサービス、訪問介護の生活援助が多い事業所、リフトなどの機器を入れている施設医師から重い介助を止められている、腰痛で休職をくり返している
排泄介助においや汚れへの抵抗感△自立度の高い利用者が多いデイサービス・住宅型有料老人ホーム(ゼロにはならない)数か月たっても吐き気などで体が受け付けない
入浴介助暑さと体力の消耗、1日に何人も続く○機械浴のある施設、入浴を担当制にしている施設持病で長時間の高温多湿の環境に入れない
認知症対応暴言・帰宅願望・同じ質問のくり返しに疲れる○認知症の利用者が中心のグループホーム以外(デイサービス、訪問介護の生活援助など)怒りを抑えられず、手が出そうになったことがある
看取り死に向き合う精神的な負担◎デイサービス、訪問介護(生活援助中心)。特養・グループホーム・介護付き有料老人ホームは看取りがある所が多い利用者の死が続き、眠れない・涙が止まらない状態が続く
夜勤生活リズムの乱れ、一人の夜勤の不安◎デイサービス、訪問介護、日勤のみの求人(次の章で件数を確認)夜勤のない職場でも体調が戻らない
記録・申し送り書くのが遅い、残業になる○タブレットや介護ソフトで記録する施設—(職場の仕組みでかなり変わる)
チーム連携・人間関係上司や先輩の指導がきつい、相談できない◎職員の定着がよい施設、教育担当がいる施設—(職場の問題であることが多い)
家族対応要望や苦情を直接受ける○生活相談員や管理者が窓口になる施設。訪問介護は家族と顔を合わせる機会が多い人と話すこと自体がつらくなっている

表の右端のサインに当てはまるものがなく、つらさが◎や○の業務に集中しているなら、介護の仕事が向いていないのではなく、今の職場や施設形態が合っていない可能性が高いと言えます。反対に、△の排泄介助や右端のサインに複数当てはまるなら、介護職員として続けるより、介護の経験を活かせる別の職種を考える段階です。

適性の問題か、職場の問題かを見分ける5つの問い

  • 前の職場や実習先では、同じ業務をそれほどつらく感じなかった(→職場の問題に近い)
  • 特定の上司・先輩と同じ勤務のときだけ、強く「向いてない」と感じる(→職場の問題に近い)
  • 人手が足りず、1人あたりの介助を急がされている(→職場の問題に近い)
  • 利用者と話す時間そのものが苦痛で、休日も仕事を思い出して気分が沈む(→適性の問題も考える)
  • 体の不調で、どの施設でも避けられない介助ができなくなっている(→介護職員以外の職種を考える)

入職して1年たっていない人は、仕事を覚えている途中のつらさも重なります。新人の時期に多い悩みは介護の新人が辞めたいときの考え方、未経験から入った人は未経験で介護職を辞めたい人の判断基準もあわせて読んでください。

施設形態6種の比較:向いてないと感じやすい業務の比重

デイサービスの明るいフロアで利用者と一緒にレクリエーションの準備をする介護職員

同じ介護職員でも、施設形態によって業務の比重が大きく違います。介護労働実態調査で「今の職場は働きやすい」と答えた介護職員の割合は、施設系(入所型)で54.9%、施設系(通所型)で70.0%、居住系で62.2%と、15ポイント以上の差がありました。訪問介護員では72.7%です。

出典:介護労働安定センター「令和7年度 介護労働実態調査 結果の概要」図表5-2-1(2026年10月確認)

施設形態比重が大きい業務夜勤つらくなりやすい人合いやすい人
特別養護老人ホーム(特養)身体介助・排泄・入浴、看取りあり腰痛がある、看取りがつらい介護技術を深めたい、チームで動きたい
介護老人保健施設(老健)リハビリの補助、医療職との連携、入退所の記録あり入れ替わりの多さと記録に追われる在宅復帰を支えたい、医療の知識を増やしたい
デイサービス送迎、入浴、レクリエーション、会話なし人前で話す・盛り上げるのが苦手夜勤をやめたい、看取りを避けたい
訪問介護1対1の生活援助・身体介護、移動、家族との接点原則なし(事業所による)一人で判断するのが不安、移動がつらい集団より1対1が合う、人間関係を減らしたい
グループホーム認知症の利用者の生活支援、家事あり(一人の時間がある)認知症対応に疲れている、一人の夜勤が不安少人数で利用者とじっくり関わりたい
有料老人ホーム介護付きは身体介助と夜勤、住宅型は生活支援と接遇・家族対応介護付きはあり丁寧な言葉づかいや家族対応の負担が大きい接遇を大事にしたい、設備の整った職場で働きたい

表の「比重」は一般的な傾向を当サイトで整理したもので、同じ施設形態でも法人や利用者の状態によって変わります。応募前の見学で、夜勤の人数、入浴の方法、記録の仕方、看取りの有無を確かめてください。

施設形態ごとの求人数(当サイト調べ)

「施設形態を変える」を選ぶとき、応募先がどれだけあるかの目安として、医療・介護の求人サイトに載っている介護職の求人を施設形態別に数えました。

条件(介護職・ヘルパー)掲載件数全体に占める割合
全体85,160件100%
訪問介護19,004件22.3%
通所介護・デイサービス15,016件17.6%
グループホーム8,912件10.5%
住宅型有料老人ホーム7,702件9.0%
特別養護老人ホーム6,765件7.9%
介護付き有料老人ホーム4,923件5.8%
介護老人保健施設2,727件3.2%
日勤のみ可36,661件43.0%

当サイト調べ(2026年10月31日、ジョブメドレーの職種「介護職/ヘルパー」の掲載件数。条件: 全体、サービス形態別、勤務時間「日勤のみ可」。雇用形態を問わない。1件の求人が複数の形態に入ることがある)

夜勤がつらくて「向いてない」と感じている人にとって、介護職の求人の4割強が日勤のみで応募できることは判断材料になります。夜勤を減らしながら収入をどう保つかは介護職の年収を上げる方法で整理しています。

残る・異動・施設を変える・介護を離れるの4択

判定表で原因を分けたら、次の4つから選びます。どれが正解かは人によって違うので、「何が解決するか」と「何が残るか」を並べて比べてください。

選択肢向いている状況解決しやすいこと残ること
1. 今の職場に残る原因が一時的(繁忙期・新人期間)で、相談できる上司がいる環境を変える負担がない人手不足や体制の問題は自分では変えられない
2. 法人内で異動する同じ法人に別の施設形態(デイ・訪問など)がある夜勤・看取り・特定の人間関係から離れられる法人の方針や待遇は同じ
3. 施設を変える(転職)原因が人間関係・運営方針・特定の業務の比重人と方針、施設形態をまとめて変えられる介護職員として行う介助は残る
4. 介護職員を離れるどの施設でも避けられない業務がつらい、体の不調がある介助の負担から離れられる職種によっては収入や資格の条件が変わる

2の異動は、人間関係だけが原因のときに使いやすい方法です。ただし、異動を相談した時点で上司に「辞めたいのでは」と受け取られることもあります。異動を断られた、または相談できる相手がいない場合は、3か4に進んでください。介護を続けるかどうか迷っている人は、介護職を辞めたい人の転職先で行き先を先に見ておくと決めやすくなります。

介護の経験と資格が活きる転職先マップ

「介護職員を離れる」と決めても、介護の経験がむだになるわけではありません。介護の中の別の職種、医療寄りの職種、介護の外の仕事の3方向に分けて、求人の多さと必要な資格を並べました。

行き先別の求人数と条件(当サイト調べ)

方向職種掲載件数平均月収(月給の人)主な条件
介護の中の別職種ケアマネジャー12,719件259,950円介護福祉士などの資格で5年以上・900日以上の実務経験を積み、試験と研修を通る
サービス提供責任者6,300件263,280円介護福祉士、実務者研修修了者など
生活相談員5,717件252,994円社会福祉士・社会福祉主事任用資格など。介護福祉士を認めるかは自治体ごとに違う
福祉用具専門相談員809件—介護福祉士なら指定講習なしで就ける
医療寄り・事務医療事務・受付13,139件—資格は必須でない求人が多い
看護助手5,237件—資格不要。病院での移送・環境整備・介助の補助
介護事務1,797件—介護保険の請求業務。介護の現場を知っていると話が早い

当サイト調べ(2026年10月31日、ジョブメドレーの職種別の掲載件数。雇用形態を問わない)。平均月収は介護労働安定センター「令和7年度 介護労働実態調査 結果の概要」図表4-1-1(賞与・残業代を除く税込の通常月。介護職員は239,855円。「—」は同調査の対象外)

資格の条件:三重県「介護支援専門員実務研修受講試験」、香川県「福祉用具専門相談員について」、秋田市「生活相談員の資格要件について」(2026年10月確認)

月給の平均で見ると、ケアマネジャーやサービス提供責任者は介護職員より2〜2.3万円ほど高くなっています。ただし、これは今その職種で働いている人の平均で、転職した直後の金額ではありません。介護職員を離れれば収入が上がる、とは言い切れないので、求人票の給与欄で確かめてください。資格ごとの手当の相場は介護福祉士の資格手当の相場にまとめています。

介護の外へ移る場合

介護の仕事で身につく「相手の様子を見て声をかける力」や「時間どおりに段取りを回す力」は、接客、受付、一般事務、送迎ドライバーなどでも使えます。40代で介護から異業種に移った人の例は介護職から異業種へ転職した40代の選択肢、辞めたあとに働き方を変えた人の例は介護を辞めてよかった人の転職先で紹介しています。

転職エージェントの選び方は介護士向け転職エージェントの選び方で比べています。

次の一歩を決める4問フローチャート

4つの問いに順に答えると、「残る・異動」「施設を変える」「介護を離れる」と、今の職場の辞め方(自分で伝えるか、退職代行に任せるか)が決まります。

Q1. 眠れない、食欲がない、出勤前に動悸や涙が出る状態が2週間以上続いていますか?
↓
→ YES:先に医療機関を受診し、休むことを優先する。出勤自体がつらく、上司に話す余力がないなら、Q4の「退職代行に任せる」へ
→ NO:Q2へ進む
↓
Q2. つらさの中心は、上司・先輩・同僚との関係や、施設の方針・人手不足ですか?
↓
→ YES:施設を変える(転職)か、法人内の異動を相談する。辞め方はQ4へ
→ NO(特定の業務がつらい):Q3へ進む
↓
Q3. つらい業務は、判定表で◎か○(夜勤・看取り・認知症対応・入浴など、施設形態で比重が変わるもの)ですか?
↓
→ YES:施設形態を変える。夜勤や看取りがつらいならデイサービスや訪問介護を候補にする
→ NO(排泄介助など、どの施設でも避けにくい):介護内の別職種か、介護の外へ移る。辞め方はQ4へ
↓
Q4. 今の上司に、退職日を決めて自分で伝えられますか?
↓
→ YES:「退職のご報告」として上司に伝える。下のLINEテンプレ2を使う
→ NO(話せる関係でない・引き止めが強い):退職代行に任せる。未払い残業代やハラスメントの争いがあれば弁護士、なければ労働組合のサービスが目安

今の職場が合わないなら、辞め方は任せられる|4サービスから1分で選ぶ

フローチャートのQ1またはQ4で「退職代行に任せる」に進んだ人は、該当するカードをタップしてください。退職日や有給の調整を任せられ、相談は無料です。

※料金は2026年10月時点の各社公式情報(税込)。ZENはお手軽プランの料金で、推奨プラン55,000円・専門プラン77,000円。わたしNEXT・男の退職代行は別途組合費1,000円。PR

実質コストシミュレーション:辞め方で変わる手元のお金

「向いてない」と感じて気持ちが追い込まれていると、有給休暇を使わずに辞めてしまう人がいます。有給休暇が10日残っている正職員の介護職員で、辞め方ごとに手元に残るお金を比べました。

前提:月給の介護職員の通常月の平均月収239,855円(介護労働安定センター 令和7年度調査)を、月の所定労働日数21日で割り、1日あたり約11,420円とします。税・社会保険料を引く前の額面で、賞与は含めていません。

ケース1:自分で「退職のご報告」をして、有給10日を消化した

自分で伝えた場合(費用0円)

有給10日分の賃金(額面)約114,200円
退職の手続きにかかる費用0円
手元に残る額約114,200円

ケース2:引き止めに押し切られ、有給を使えないまま辞めた

有給10日を捨てた場合

有給10日分の賃金0円
ケース1との差▲約114,200円
手元に残る額0円

ケース3:労働組合の退職代行に任せ、有給10日を消化した

わたしNEXT・男の退職代行(正社員)の場合

有給10日分の賃金(額面)約114,200円
代行費用(21,800円+組合費1,000円)▲22,800円
手元に残る額約91,400円

退職代行JOBS(27,000円)なら手元に残る額は約87,200円、弁護士法人ZENはお手軽プラン(27,500円)なら約86,700円、推奨プラン(55,000円)なら約59,200円です。ZENでは、会社が支払いを拒んで弁護士が交渉した場合に限り、残業代や退職金の回収額の25%+税が別にかかります。

試算から言えること

自分で伝えられるなら、費用0円のケース1がいちばん得です。引き止めに押し切られそうなら、有給が10日残っている時点で、退職代行の費用を引いても約6〜9万円が手元に残る計算になります。有給の残りが少ない人や、上司と普通に話せる人は、まず自分で伝えてください。有給の日程の決め方は介護職の退職と有給消化の進め方で詳しく解説しています。

出典:介護労働安定センター「令和7年度 介護労働実態調査 結果の概要」図表4-1-1、料金は退職代行JOBS公式・弁護士法人ZEN公式・わたしNEXT公式・男の退職代行公式(2026年10月確認)

退職代行の3種類の違い

弁護士法72条は、弁護士でない者が報酬を得る目的で法律事件の交渉などを扱うことを禁じています。そのため民間企業の退職代行は「退職の意思を伝える」ところまでで、退職日や有給の交渉はできません。労働組合は団体交渉権にもとづいて会社と交渉でき、弁護士は未払い賃金の請求まで扱えます。本記事の4社は、いずれも労働組合か弁護士が対応するサービスです。

出典:e-Gov法令検索「弁護士法」第72条(2026年10月確認)

直近1年に転職した人のうち、退職代行を使った人は16.6%で、使った理由は「退職を引き留められた(引き留められそうだ)から」が40.7%で最も多くなっています。

出典:マイナビ キャリアリサーチLab「退職代行サービスに関する調査レポート(2024年)」(2024年10月公表・2026年10月確認)

業界特化トーク対抗マニュアル:人手不足を盾にした引き止め7パターン

介護事業所の65.8%が「従業員が不足している」と答えていて、訪問介護員に限ると82.9%です。特別養護老人ホームでは、介護職員と看護職員の合計を入所者3人に対して常勤換算で1人以上置く決まりがあり、1人辞めると勤務表を組み直す必要が出ます。そのため介護の現場では、人手と基準を理由にした引き止めがよく起きます。

出典:介護労働安定センター「令和7年度 介護労働実態調査 結果の概要」、名古屋市「特別養護老人ホームの定員増に係る基準(人員配置の要点)」(2026年10月確認)

ただし、人員配置基準を満たす責任は施設にあり、職員1人の退職を止める根拠にはなりません。期間の定めのない雇用契約なら、民法627条により退職を申し入れてから原則2週間で契約は終わります。返す一言を先に決めておくと、面談の場で迷わずに済みます。

出典:e-Gov法令検索「民法」第627条、厚生労働省 鹿児島労働局「退職願を提出したが上司が受け取らない場合のQ&A」(2026年10月確認)

言われること背景返す一言
「最初はみんな向いてないと思うものだよ」「向いてない」を気の持ちようの話にして引き止める「業務ごとに考えた結果です。職場を変えて続けるか、別の職種にするかも含めて決めました」
「どこに行っても介護は同じだよ」転職先への不安をあおる「施設形態で業務の比重が違うと調べました。夜勤や看取りの少ない職場で働きたいと考えています」
「あなたが抜けたら配置基準を割る」人員配置基準とシフトの穴埋め「承知しています。だからこそ、来月のシフトが組まれる前の今お伝えしています」
「夜勤を外すから残って」条件を変えて引き止める「ご配慮ありがとうございます。夜勤だけが理由ではないので、退職日は〇月〇日でお願いします」
「利用者さんが悲しむよ」利用者との関係を理由に罪悪感を持たせる「最後まで丁寧に関わります。申し送りは書面にまとめてお渡しします」
「資格の費用を返してもらうことになる」資格取得支援の誓約書「誓約書の条件を確認させてください。書面の範囲でご相談します」
「後任が決まるまで待って」採用が決まらない不安「採用は施設のご判断なので、退職日は変えられません。引き継ぎは〇日までに終えます」

「夜勤を外す」「ユニットを変える」と条件を出されたときは、判定表で原因が夜勤やその人間関係だけなら、残る選択肢として考えてもかまいません。条件は口約束にせず、いつから・どの勤務になるかを書面かLINEで確かめてください。

資格取得費用の返還は、労働基準法16条(違約金・損害賠償額の予定の禁止)との関係で、研修が業務として命じられたものか、返還額が実費の範囲で勤続に応じて減るかなどで判断が分かれます。その場で支払いに合意せず、総合労働相談コーナーか弁護士に確かめてください。引き止めの法的な整理は介護職の退職引き止めの突破法、上司に言えないときの相談先は介護職の退職相談の進め方にまとめています。

出典:福島県労働委員会「個別Q&A 研修費用の返還について」、e-Gov法令検索「労働基準法」第16条(2026年10月確認)

LINEテンプレ3本:異動の相談・退職の意思・引き止めを断る

介護施設の事務室で主任と面談しながら異動の希望を伝える介護職員

早番・遅番・夜勤がばらばらだと、上司と落ち着いて話す時間が取れません。最初の一言はLINEや職場のチャットで送り、面談で伝えた内容を文字でも残しておくと「言った・言わない」を防げます。施設のルールでLINEが使えない場合は、メールや書面に置き換えてください。

テンプレ1:異動や勤務形態の変更を相談する(残る・異動を選んだ人)

〇〇主任、お疲れさまです。 今後の働き方についてご相談したいことがあり、10〜15分ほどお時間をいただけないでしょうか。 夜勤(または〇〇の業務)が体力的に続けにくくなっており、日勤中心の勤務や、法人内のデイサービスなどへの異動ができるかを伺いたいです。 〇日か〇日の勤務後はいかがでしょうか。よろしくお願いいたします。

テンプレ2:退職の意思を伝える(面談後の確認用)

〇〇主任、本日はお時間をいただきありがとうございました。 お伝えしたとおり、一身上の都合により〇年〇月〇日をもって退職させていただきたく、改めてご連絡いたします。 有給休暇が〇日残っておりますので、〇月〇日から〇月〇日までを取得させていただけますと幸いです。 担当している利用者さんの申し送りは〇日までに書面でまとめます。 引き継ぎの進め方についてご指示をお願いいたします。

テンプレ3:人手不足を理由にした引き止めを断る

〇〇主任、先日はお話を聞いていただきありがとうございました。 人員のことでご心配をおかけしていることは承知していますが、自分なりに考えた結果、退職の気持ちは変わりません。 退職日は〇月〇日のままでお願いいたします。 最後まで勤務と引き継ぎはしっかり行いますので、よろしくお願いいたします。

テンプレ3を送っても同じ説得が続く場合は、送った日付と内容を控えておきましょう。総合労働相談コーナーや退職代行に相談するとき、そのまま経緯の説明に使えます。即日で出勤をやめたいときの流れは介護職の退職代行を即日で使う方法、実際に使った人の流れは介護職の退職代行の体験談で確認できます。

転職ロードマップ:向いてないと感じてから次の職場に入るまで

「向いてない」と感じてから辞めるまでを、原因の切り分けから始める順番で並べました。就業規則の申し出時期が長い職場は、その分だけ前に倒してください。

1週目:つらい業務と場面を書き出す

1週間、つらかった業務・時間帯・一緒にいた人をメモします。判定表の9業務のどこに集中しているかで、「施設を変える」「施設形態を変える」「介護職員を離れる」のどれに当たるかが見えてきます。

2〜4週目:異動の相談か、求人の情報集め

法人内の異動で解決しそうならテンプレ1で相談します。転職するなら、雇用契約書・就業規則・有給の残日数・資格取得支援の誓約書を確認し、施設形態と「日勤のみ」などの条件で求人を探し始めます。

退職日の2か月前(翌月シフトの締切前):見学と面接、上司に報告

応募先では夜勤の人数、入浴の方法、記録の仕方、看取りの有無を見学で確かめます。面接で退職理由をどう言い換えるかは介護職の転職面接でよく聞かれる質問を参考にしてください。上司にはテンプレ2で退職の意思を伝えます。

1か月前:退職届・有給の日程・申し送り

退職届を就業規則の書式で出し、有給の取得日を確定させます。担当利用者の介助方法や注意点を書面にまとめます。

退職日:受け取る書類の確認

離職票(失業給付を受けるとき)、源泉徴収票、雇用保険被保険者証などを受け取ります。届かない場合は事業所の担当者に請求してください。

退職後:失業給付と次の職場

正当な理由のない自己都合退職の場合、離職日が2025年4月1日以降なら、失業給付の給付制限は原則1か月です。次の職場が決まっていない人は、早めにハローワークで手続きをしましょう。

出典:ハローワークインターネットサービス「よくあるご質問(雇用保険について)」(2026年10月確認)

年代によって選びやすい行き先は変わります。20代で介護職を辞めたい人、40歳前後で介護職を辞めたい人、パートで働く人は介護パートの辞め方もあわせて確認してください。

よくある質問

Q介護職に向いてないのはどんな人ですか?
A排泄介助のように、どの施設でも避けにくい業務がどうしても体に合わない人や、利用者と話す時間そのものが苦痛な人は、介護職員としては続けにくいと言えます。一方で、夜勤・看取り・認知症対応・人間関係がつらいだけなら、施設形態や職場を変えると軽くなることが多く、「向いてない」とは限りません。
Q向いてないと感じたら、何年は続けるべきですか?
A決まった年数はありません。心身の不調が続いているなら、年数に関係なく休むことと職場を離れることを優先してください。原因が職場にあるなら、同じ職場で年数を重ねても変わりにくいため、施設形態を変えて比べるほうが早く答えが出ます。
Q介護福祉士の資格を取ったのに辞めるのはもったいないですか?
A介護職員を辞めても、資格は介護の中の別職種で使えます。介護福祉士なら指定講習なしで福祉用具専門相談員になれ、サービス提供責任者の条件も満たします。実務経験が5年以上・900日以上あればケアマネジャーの試験も受けられます。生活相談員として認めるかは自治体ごとに違います。
Q施設形態を変えると、仕事はどう変わりますか?
A特養や介護付き有料老人ホームは身体介助・夜勤・看取りの比重が大きく、デイサービスは夜勤がなく送迎やレクリエーションが中心です。訪問介護は1対1で、グループホームは認知症の利用者の生活支援が中心です。介護職員の「働きやすい」の回答も、施設系(入所型)54.9%、施設系(通所型)70.0%と差があります。
Q人手不足を理由に辞めさせてもらえないときはどうすればいいですか?
A期間の定めのない雇用なら、民法627条により申し入れから原則2週間で退職できます。人員配置基準を満たす責任は施設側にあります。退職日を決めて文字で伝え、それでも受け取ってもらえない場合は、総合労働相談コーナーに相談するか、交渉ができる労働組合・弁護士の退職代行に任せてください。
Q退職代行は民間・労働組合・弁護士の何が違いますか?
A民間企業は退職の意思を伝えるところまでで、会社との交渉はできません。労働組合は団体交渉権にもとづき、退職日や有給休暇の交渉ができます。弁護士は交渉に加えて、未払い残業代などの請求や裁判まで扱えます。争いがなければ労働組合、請求や争いがあれば弁護士を選ぶのが目安です。

まとめ:「向いてない」は、業務と職場に分けてから決める

  • 前の介護の職場を辞めた理由で「自分に向かない仕事」は6.5%。人間関係27.3%、運営方針への不満21.0%のほうがずっと多い
  • 9業務の判定表で、つらさが夜勤・看取り・認知症対応・人間関係に集中しているなら、介護が向いていないのではなく職場や施設形態が合っていない可能性が高い
  • 介護職員の「働きやすい」は施設系(入所型)54.9%、施設系(通所型)70.0%。介護職の求人の43.0%は日勤のみで応募できる(当サイト調べ)
  • 介護職員を離れても、ケアマネジャー・サービス提供責任者・生活相談員・福祉用具専門相談員など、経験と資格が活きる職種がある
  • 辞めると決めたら「退職のご報告」として退職日まで伝える。言い出せない・引き止めが強いなら、交渉できる労働組合・弁護士の退職代行に任せる
  • 有給が10日残っていれば、退職代行の費用を引いても約6〜9万円が手元に残る試算

「向いてない」と感じるのは、利用者や仕事に真剣に向き合っているからこそです。原因を業務と職場に分けてみると、辞めるべきか、場所を変えればよいかが見えてきます。今の職場に残る理由が見つからず、辞めると言い出せないなら、一人で抱え込まずに第三者に任せる方法もあります。無料相談をしても、利用する義務はありません。

FINAL CHECK

合わない職場で、自分を責め続けなくていい。

向いていないのは介護ではなく、今の職場かもしれません。施設を変えると決めたのに言い出せない、人手不足を理由に引き止められる。そんなときは、退職日と有給の交渉までできる労働組合・弁護士の退職代行に相談できます。相談は無料です。

※料金は2026年10月時点の各社公式情報(税込)。ZENはお手軽プランの料金で、推奨プラン55,000円・専門プラン77,000円。わたしNEXT・男の退職代行は別途組合費1,000円。PR

ナースリー編集部
ナースリー編集部 転職支援のプロが監修

看護師・介護士・薬剤師など医療・ヘルスケア領域の転職情報を専門に発信。キャリアアドバイザーとして医療従事者の転職支援に携わり、求人事業の立ち上げ・運営にも携わったメンバーが、現場で得たリアルな知識をもとに執筆・監修しています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました