PR

4段の順番|介護の退職相談は誰にする?相談先5つと引き止め対抗トーク【2026年版】

悩みを解消する
記事内に広告が含まれています。
介護施設の面談室で主任に退職の意思を伝える介護職員

「辞めたいけれど、誰に、どう切り出せばいいのか分からない」。人手が足りない職場ほど、介護職は退職の一言を言い出せないまま、次のシフトが組まれていきます。

介護の仕事を辞めた人の理由で最も多いのは「職場の人間関係」の27.3%で、「勤務先に仕事上の悩み事の相談ができなかった」も7.2%あります(介護労働安定センター、令和7年度調査)。結論から言うと、最初に伝える相手は直属の上司(ユニットリーダー・主任・サービス提供責任者)で、「相談」ではなく「退職のご報告」として、翌月のシフトが組まれる前に伝えるのが、いちばんこじれにくい進め方です。

この記事は、特養・老健・グループホーム・デイ・訪問介護で働く介護職員向けに、施設形態別の伝える順番、引き止めへの返し方、外部の相談先5つの比較、LINEの文例3本をまとめました。上司に言える関係でない場合は、途中の3問フローチャートで、外部窓口と退職代行のどちらに進むかを決められます。

親の介護で仕事を辞めるか迷っている方へ

この記事は「介護職として働く人」が自分の退職を相談する方法の記事です。家族の介護のために今の仕事(介護職以外も含む)を辞めるか迷っている方は、介護離職の相談先と引き止めへの対応をまとめた親の介護で退職するときの引き止め対策をご覧ください。

介護職が退職を相談しにくい3つの理由

「退職は直属の上司に1か月前までに伝える」という一般的な手順は、どの転職サイトにも書いてあります。それでも介護職が言い出せないのは、職場の事情が他の業種と違うからです。数字で確認しておきます。

理由1:慢性的な人手不足で、辞める側が罪悪感を持たされる

介護事業所の65.8%が「従業員が不足している」と答えていて、前年度の65.2%より上がりました。訪問介護員に限ると不足感は82.9%です。働く側の悩みでも「人手が足りない」が52.3%で1位でした。1人辞めると残る人の負担が目に見えて増えるため、退職を切り出すこと自体が「迷惑をかける行為」のように感じやすくなります。

出典:介護労働安定センター「令和7年度 介護労働実態調査 結果の概要」(2026年7月公表・2026年10月確認)

理由2:相談したい相手が、悩みの原因になっている

同じ調査で、介護の仕事を辞めた理由を「職場の人間関係」と答えた人に中身を聞くと、「上司や先輩からの指導や言動がきつかったり、パワーハラスメントがあった」が45.8%で最も多く、「上司の業務指示が不明確、リーダーシップがなかった」も37.4%ありました。本来いちばんに伝えるべき直属の上司が、辞めたい理由そのものになっているケースが少なくありません。

理由3:同僚・利用者との距離が近く、話がすぐ広がる

ユニットや少人数の事業所では、同じメンバーで毎日顔を合わせます。仲の良い同僚に「辞めようか迷っている」と話した内容が、上司の耳に先に入ることもあります。利用者や家族とも関係が深いため、「いつ・誰から伝えるか」を間違えると、上司が気分を害して話がこじれる原因になります。

3つの理由から言えること

介護職の退職相談でつまずくのは、法律の知識より伝える順番と言い方です。順番は次の章以降の表で決め、言い方は「相談」ではなく「報告」にそろえると、引き止めの交渉に入りにくくなります。

「相談」と切り出すと引き止めの交渉になる理由

介護施設のスタッフルームでシフト表を確認するユニットリーダーと介護職員

「ちょっとご相談があるのですが」と切り出すと、上司は「まだ迷っている」と受け取ります。介護施設の管理者にとって、職員1人の退職は人員配置とシフトに直結するため、迷っているなら引き止めたいと考えるのは自然です。

人員配置基準とシフト締切が、引き止めの動機になる

特別養護老人ホームでは、介護職員と看護職員の合計を入所者3人に対して常勤換算で1人以上置く決まりがあります。施設は基準を割らないよう勤務時間の総量を管理していて、翌月のシフトは希望休の締切後にほぼ確定します。管理者からすると「辞める前提で次のシフトを組み直す」より「辞めないよう説得する」ほうが手間が少なく、相談の形で話を持ちかけられると説得の余地があると考えます。

出典:名古屋市「特別養護老人ホームの定員増に係る基準(人員配置の要点)」(2026年10月確認)

「相談」と「報告」の言い方の違い

場面相談の言い方(引き止めに入りやすい)報告の言い方(こじれにくい)
切り出し「辞めようか迷っていて、ご相談が…」「今後の勤務について、ご報告したいことがあります」
意思「できれば辞めたいなと思っていて」「一身上の都合で、退職させていただきたいと考えています」
退職日「いつ頃なら大丈夫でしょうか」「〇月〇日付での退職を希望しています」
理由不満を細かく話す(改善案を出され、残る話になる)「家庭の事情」「別の分野に挑戦したい」など前向きで短い理由
相談してよいこと—引き継ぎの段取り、有給休暇の日程、退職届の書式

相談の形にしてよいのは「辞めるかどうか」ではなく、辞めることを前提にした段取り(引き継ぎ・有給・書類)だけです。ここを分けておくと、話が「残るかどうか」に戻りにくくなります。

会社の同意がなくても退職はできる

期間の定めのない雇用契約(いわゆる正社員・無期雇用)なら、民法627条により、退職を申し入れてから原則2週間で契約は終わり、会社の同意は要りません。ただし就業規則に退職の申し出時期の定めがあれば、まずそれを確認するよう労働局も案内しています。実務では就業規則の時期とシフト締切に合わせて伝え、どうしても受け取ってもらえない場合に2週間のルールを使う、という順番が穏当です。

出典:厚生労働省 鹿児島労働局「退職願を提出したが上司が受け取らない場合のQ&A」、e-Gov法令検索「民法」第627条(2026年10月確認)

誰に先に言うか:施設形態別の伝える順番

基本の順番は「直属の上司 → その上の責任者 → 施設長・管理者 → 法人本部・人事」です。ただし、施設形態によって直属の上司にあたる職名が変わります。下の表は一般的な例で、職名や決裁の流れは法人ごとに違うため、自分の職場の組織図に当てはめて使ってください。

施設形態1番目に伝える人2〜3番目最後に関わる人こじれやすい点
特養(ユニット型)ユニットリーダーフロアリーダー・介護主任 → 施設長法人本部・人事ユニット内の同僚に先に漏れると、リーダーが他人から聞く形になる
老健介護主任(介護長)看護・介護の部門責任者 → 事務長施設長・本部施設長は医師であることが多く、手続きの窓口は事務長になりやすい
グループホームユニットリーダー・計画作成担当者管理者(ホーム長)法人のエリア担当・本部少人数のため、管理者へ早めに直接伝えたほうが話が早い
デイサービスリーダー・生活相談員管理者法人本部送迎・曜日固定の担当があり、利用者への周知時期を管理者と決める
訪問介護サービス提供責任者管理者法人本部担当利用者や家族に自分から先に言うと、担当替えの説明が混乱する
有料老人ホームフロアリーダーホーム長本社の人事・エリアマネージャー運営会社の規模によっては、本社の書式・承認が必要になる

先に言ってはいけない3者

  • 仲の良い同僚:噂として上司に伝わると、「なぜ自分に先に言わなかったのか」で話がこじれる
  • 利用者・家族:担当替えや後任の説明は事業所が行うもの。先に伝えると不安を与え、施設側の印象も悪くなる
  • 直属の上司を飛ばした施設長:上司の立場をつぶす形になり、引き継ぎ期間の関係が悪くなる

例外:直属の上司がハラスメントの当事者のとき

上司本人から強い言動を受けている場合は、順番を守る必要はありません。一つ上の責任者か法人本部・人事に伝える、次の章の外部窓口に先に相談する、退職代行に任せる、のいずれかを選んでください。職場の人間関係で悩んでいる人の声は介護を辞めたい人の知恵袋の相談まとめでも紹介しています。

相談の前に手元にそろえる4つの書類

上司に会う前に、次の4点を手元で確認しておくと、退職日や引き止めの話で言い負かされにくくなります。どれも退職の条件を決める根拠になる書類です。

  • 雇用契約書(労働条件通知書):正社員か、契約期間のある有期雇用か。有期なら契約の終わりの日と更新の有無を確認する
  • 就業規則の退職の条項:「退職の〇か月前までに申し出る」などの定め、退職届の書式と提出先
  • 有給休暇の残日数:給与明細や勤怠システムで確認。夜勤の数え方は施設ごとに違うので、あわせて見ておく
  • 資格取得支援の誓約書:初任者研修・実務者研修・介護福祉士の受験費用などを施設が負担した場合、返還の条件が書かれていないか

資格取得支援の「返還」は条件しだい

労働基準法16条は、労働契約の不履行について違約金や損害賠償額をあらかじめ決めておくことを禁じています。研修費用の返還がこれに当たるかは、研修が業務として命じられたものか、返還を免除する基準が合理的か、返還額が実費の範囲内で勤務期間に応じて減るか、などで判断されます。業務命令で受けた研修の費用を、一定期間内に辞めたら全額返させる定めは、違反の可能性があるとする自治体の解説もあります。誓約書に書いてある条件を写真に撮るなどして控えておき、納得できない請求を受けたら、次の章の総合労働相談コーナーで確かめてください。

出典:福島県労働委員会「個別Q&A 研修費用の返還について」、e-Gov法令検索「労働基準法」第16条(2026年10月確認)

有給休暇の日程の決め方と、拒否されたときの対応は介護職の退職と有給消化の進め方で詳しく解説しています。

外部の相談先5つの比較:何をしてくれて、何をしてくれないか

職場の中で相談できないときは、外部の窓口を使えます。ただし窓口ごとに「できること」がはっきり分かれています。特に、会社と退職日や有給について交渉してくれるのは、労働組合と弁護士だけです。

相談先してくれることしてくれないこと費用向いている状況
総合労働相談コーナー(労働局・労基署内)労働問題全般の相談。法律違反の疑いがあれば労基署へ取り次ぎ、助言・指導やあっせんを案内本人に代わって退職を伝えること、会社との交渉の代行無料・予約不要引き止め・パワハラ・研修費用の返還などが法的に正しいか確かめたい
介護労働安定センター(都道府県支部)社会保険労務士などの専門家による相談。職場環境・健康・キャリアの相談を扱い、介護労働者も対象退職の代行、会社との交渉無料(年間の時間・回数に上限)介護の働き方やキャリアを、介護の制度に詳しい人と整理したい
ハローワーク在職中でも求職申込みをすれば、仕事の相談・紹介。退職後は失業給付の手続き今の職場との退職のやり取り無料次の職場を探しながら退職時期を決めたい
退職代行(民間・労働組合・弁護士)本人に代わって退職の意思を伝える。労働組合と弁護士は退職日・有給の交渉もできる民間の業者は交渉ができない本記事の4社で22,800円〜(弁護士は77,000円のプランまで)上司と話せない・引き止めが強い・出勤自体がつらい
転職エージェント求人紹介、面接日程や条件の調整、退職時期の相談今の職場への退職の連絡・交渉無料(求職者側)辞めた後の行き先を先に決めたい

出典:厚生労働省「総合労働相談コーナーのご案内」、介護労働安定センター「相談支援」、富山労働局「在職中であっても仕事の相談や仕事の紹介を無料で受けることができます」(2026年10月確認)

総合労働相談コーナーは全国378か所にあり、面談か電話で相談でき、土日祝日と年末年始は閉庁です。夜勤明けや平日に休みが取れない人は、厚生労働省の委託事業「労働条件相談ほっとライン」(平日夜間・土日祝日の無料電話相談)も使えます。介護労働安定センターの相談は支部ごとに受け付けていて、日時や場所は支部に問い合わせる形です。

出典:厚生労働省「確かめよう労働条件:相談機関のご紹介」(2026年10月確認)

退職代行の3種類の違い

弁護士法72条は、弁護士でない者が報酬を得る目的で法律事件の交渉などを扱うことを禁じています。そのため民間企業の退職代行は「退職の意思を伝える」ところまでしかできません。労働組合は団体交渉権にもとづいて会社と交渉でき、弁護士は未払い賃金の請求まで扱えます。

種類退職の意思を伝える退職日・有給の交渉未払い残業代などの請求本記事で紹介するサービスの料金
民間企業○××(本記事では紹介しない)
労働組合(提携・運営)○○△(交渉まで。裁判は扱えない)22,800円(組合費込み)〜27,000円
弁護士○○○27,500円〜77,000円+回収額に応じた報酬

出典:e-Gov法令検索「弁護士法」第72条(2026年10月確認)

直近1年に転職した人のうち、退職代行を使った人は16.6%で、使った理由は「退職を引き留められた(引き留められそうだ)から」が40.7%で最も多くなっています。引き止めの強さに悩むのは介護職だけではありません。

出典:マイナビ キャリアリサーチLab「退職代行サービスに関する調査レポート(2024年)」(2024年10月公表・2026年10月確認)

相談相手を決める3問フローチャート

3つの問いに答えると、「上司に報告する」「外部窓口で確かめてから動く」「退職代行に任せる」のどれに進むかが決まります。

Q1. 直属の上司(リーダー・主任・サービス提供責任者)と、落ち着いて話せる関係ですか?
↓
→ YES:Q2へ進む
→ NO(話せない・ハラスメントの当事者):Q3へ進む
↓(YESの場合)
Q2. 退職日を自分で決めて、引き止められても変えない自信がありますか?
↓
→ YES:上司に「退職のご報告」をする。下のLINEテンプレ1で面談の時間をもらい、テンプレ2で意思を伝える
→ NO(押し切られそう):Q3へ進む。先に言い方と退職日を固め、引き止めが続くなら第三者に任せる
↓
Q3. 未払いの残業代・ハラスメント・有給や研修費用をめぐる争いがありますか?
↓
→ YES:総合労働相談コーナーで事実を確かめ、請求まで考えるなら弁護士の退職代行へ
→ NO:労働組合の退職代行に任せる。退職日と有給の交渉ができ、自分は出勤しなくて済む

上司に言えないときの相談先|4サービスから1分で選ぶ

フローチャートでQ3まで進んだ人は、該当するカードをタップしてください。退職日や有給の調整を任せられ、相談は無料です。

※料金は2026年10月時点の各社公式情報(税込)。ZENはお手軽プランの料金で、推奨プラン55,000円・専門プラン77,000円。わたしNEXT・男の退職代行は別途組合費1,000円。PR

実質コストシミュレーション:相談の仕方で変わる手元のお金

外部窓口は無料で、退職代行は本記事の4社で22,800円からかかります。ただ、言い方を間違えて引き止めに入り、有給休暇を使わずに辞めてしまうと、それ以上のお金を失うことがあります。有給休暇10日が残っている正職員で試算しました。

前提:月給の介護労働者の通常月の平均月収254,951円(介護労働安定センター 令和7年度調査)を、月の所定労働日数21日で割り、1日あたり約12,140円とします。税・社会保険料を引く前の額面で、賞与は含めていません。

ケース1:上司に「報告」として伝え、有給10日を消化できた

自分で伝えた場合(費用0円)

有給10日分の賃金(額面)約121,400円
相談・手続きの費用0円
手元に残る額約121,400円

ケース2:「相談」から引き止めに入り、有給を使えないまま辞めた

有給10日を捨てた場合

有給10日分の賃金0円
ケース1との差▲約121,400円
手元に残る額0円

ケース3:労働組合の退職代行に任せ、有給10日を消化した

わたしNEXT・男の退職代行(正社員)の場合

有給10日分の賃金(額面)約121,400円
代行費用(21,800円+組合費1,000円)▲22,800円
手元に残る額約98,600円

退職代行JOBS(27,000円)なら手元に残る額は約94,400円、弁護士法人ZENの推奨プラン(55,000円)なら約66,400円です。ZENでは、会社が支払いを拒んで弁護士が交渉した場合に限り、残業代や退職金の回収額の25%+税が別にかかります。

試算から言えること

自分で「報告」として伝えられるなら、費用0円のケース1がいちばん得です。引き止めに押し切られそうなら、有給が10日残っている時点で、退職代行の費用を引いても約6〜10万円が手元に残る計算になります。有給の残りが少ない人や、上司と普通に話せる人は、まず自分で伝えることを優先してください。

出典:介護労働安定センター「令和7年度 介護労働実態調査 結果の概要」、料金は退職代行JOBS公式・弁護士法人ZEN公式・わたしNEXT公式・男の退職代行公式(2026年10月確認)

業界特化トーク対抗マニュアル:介護現場の引き止め7パターン

介護施設の事務室で雇用契約書と就業規則を確認する介護職員

介護施設の引き止めには、人員とシフト、利用者、資格の費用を使った決まり文句があります。返す一言を先に決めておくと、面談の場で迷わずに済みます。どの返しも「辞める意思は変えない」「段取りには協力する」の2点をそろえるのがコツです。

言われること背景返す一言
「人が足りないのは分かってるよね」人員配置基準とシフトの穴埋め「承知しています。だからこそ、来月のシフトが組まれる前の今お伝えしています」
「利用者さんが悲しむよ」利用者との関係を理由に罪悪感を持たせる「最後まで丁寧に関わります。申し送りは書面にまとめてお渡しします」
「資格の費用を返してもらうことになる」資格取得支援の誓約書「誓約書の条件を確認させてください。書面の範囲でご相談します」
「次のシフトが組めない」翌月分が確定済み、または組み直しの手間「確定している勤務は出ます。退職日は〇月〇日でお願いします」
「後任が決まるまで待って」採用が決まらない不安「採用は施設のご判断なので、退職日は変えられません。引き継ぎは〇日までに終えます」
「一度考え直してみて」相談の形にして結論を先送りする「考えた結果です。今日は退職日と引き継ぎのご相談をさせてください」
「この業界は狭いから、辞め方で噂になるよ」次の職場への不安をあおる「ご心配ありがとうございます。だからこそ、引き継ぎまで責任を持って終えます」

「資格の費用を返して」と言われた場合は、その場で金額や支払いに合意しないでください。返還の義務があるかは誓約書の条件と研修の中身によって変わるため、持ち帰って総合労働相談コーナーか弁護士に確かめるのが安全です。引き止めの法的な整理と、ほかのパターンは介護職の退職引き止めの突破法にまとめています。

面談で同じ説得が2回以上くり返され、退職日が決まらない場合は、自分で続けるより第三者に任せたほうが早く終わります。即日で出勤をやめたいときの流れは介護職の退職代行を即日で使う方法、実際に使った人の流れは介護職の退職代行の体験談で確認できます。

LINEテンプレ3本:面談の依頼・退職の意思・引き止めを断る

夜勤や早番・遅番がばらばらだと、上司と落ち着いて話す時間がなかなか取れません。最初の一言はLINEや職場のチャットで送り、退職の意思は面談で伝えたあと、同じ内容を文字でも残しておくと「言った・言わない」を防げます。施設のルールでLINEが使えない場合は、メールや書面に置き換えてください。

テンプレ1:上司に面談の時間をもらう一言

〇〇リーダー、お疲れさまです。 今後の勤務について直接お伝えしたいことがあり、10〜15分ほどお時間をいただけないでしょうか。 来月のシフトが組まれる前にお話ししたいので、〇日か〇日の勤務後はいかがでしょうか。 お忙しいところすみませんが、よろしくお願いいたします。

テンプレ2:退職の意思を伝える文(面談後の確認用)

〇〇主任、本日はお時間をいただきありがとうございました。 お伝えしたとおり、一身上の都合により〇年〇月〇日をもって退職させていただきたく、改めてご連絡いたします。 有給休暇が〇日残っておりますので、〇月〇日から〇月〇日までを取得させていただけますと幸いです。 退職届は〇日までに提出し、担当している利用者さんの申し送りは〇日までに書面でまとめます。 引き継ぎの進め方についてご指示をお願いいたします。

テンプレ3:引き止めを断る文

〇〇主任、先日はお話を聞いていただきありがとうございました。 人員のことでご心配をおかけしていることは承知していますが、考えた結果、退職の気持ちは変わりません。 退職日は〇月〇日のままでお願いいたします。 最後まで勤務と引き継ぎはしっかり行いますので、よろしくお願いいたします。

テンプレ3を送っても返事がない、または同じ説得が続く場合は、送った日付と内容を控えておきましょう。総合労働相談コーナーや退職代行に相談するとき、そのまま経緯の説明に使えます。

転職ロードマップ:退職を伝えてから次の職場に入るまで

退職の相談と転職活動は、同時に進めたほうが不安が少なくなります。退職日から逆算した目安です。就業規則の申し出時期が長い職場は、その分だけ前に倒してください。

退職日の3か月前:書類の確認と情報集め

雇用契約書・就業規則・有給の残日数・誓約書の4点を確認します。ハローワークは在職中でも求職申込みをすれば相談でき、転職エージェントも無料で使えます。介護職に強いサービスの選び方は介護士向け転職エージェントの選び方を参考にしてください。

2か月前(翌月シフトの締切前):直属の上司に報告

テンプレ1で面談の時間をもらい、「退職のご報告」として退職日を伝えます。面談後にテンプレ2で同じ内容を文字に残します。

1か月半前:退職届・有給の日程・申し送りの準備

退職届を就業規則の書式で出し、有給の取得日を確定させます。担当利用者の介助方法や注意点を書面にまとめ始めます。

1か月前:内定と入職日の調整

面接では退職理由を前向きに言い換えて伝えます。想定質問は介護職の転職面接でよく聞かれる質問で確認できます。次の職場の候補は介護職を辞めたい人の転職先にまとめています。

退職日:受け取る書類の確認

離職票(失業給付を受けるとき)、源泉徴収票、雇用保険被保険者証などを受け取ります。届かない場合は事業所の担当者に請求してください。

退職後:失業給付と次の職場

正当な理由のない自己都合退職の場合、離職日が2025年4月1日以降なら、失業給付の給付制限は原則1か月です。次の職場が決まっていない人は、早めにハローワークで手続きをしましょう。辞めた後に働き方を変えた人の例は介護を辞めてよかった人の転職先で紹介しています。

出典:ハローワークインターネットサービス「よくあるご質問(雇用保険について)」(2026年10月確認)

入職して間もない人やパートの人は、辞め方の注意点が少し変わります。介護の新人が辞めたいときの考え方と介護パートの辞め方もあわせて確認してください。

よくある質問

Q介護職が退職を最初に相談するのは誰ですか?
A直属の上司です。特養ならユニットリーダー、訪問介護ならサービス提供責任者、グループホームならユニットリーダーか管理者が一般的です。同僚や利用者・家族に先に話すと、上司が人づてに聞く形になり話がこじれやすくなります。上司がハラスメントの当事者なら、一つ上の責任者か本部、外部窓口に相談してかまいません。
Q「相談があります」と切り出すのはいけませんか?
Aまだ迷っている段階なら相談でかまいません。ただし辞めると決めているなら、「退職のご報告」として退職日まで伝えるほうが、引き止めの交渉に入りにくくなります。相談の形にするのは、引き継ぎや有給の日程など、辞めることを前提にした段取りだけにしましょう。
Q退職は何か月前に伝えればいいですか?
A期間の定めのない雇用なら、民法627条により申し入れから原則2週間で退職できます。ただ、就業規則に「1か月前」などの定めがあることが多く、介護施設では翌月のシフト締切の前に伝えるのが現実的です。有給休暇の消化期間も含めると、退職日の2か月前を目安にすると調整しやすくなります。
Q資格取得支援の費用を返すよう言われたら、払わなければいけませんか?
A誓約書の条件と研修の中身しだいです。労働基準法16条は違約金や損害賠償額の予定を禁じていて、業務として受けさせた研修の費用を、一定期間内に辞めたら全額返させる定めは違反の可能性があるとされています。その場で支払いに合意せず、総合労働相談コーナーか弁護士に確かめてください。
Q外部で相談するなら、どこが無料ですか?
A総合労働相談コーナー(労働局・労働基準監督署内、予約不要)、労働条件相談ほっとライン(平日夜間・土日祝日の電話相談)、介護労働安定センターの支部の相談、ハローワークの職業相談は、いずれも無料です。ただし、どこも本人に代わって退職を伝えたり、会社と交渉したりはしません。
Q退職代行は民間・労働組合・弁護士の何が違いますか?
A民間企業は退職の意思を伝えるところまでで、会社との交渉はできません。労働組合は団体交渉権にもとづき、退職日や有給休暇の交渉ができます。弁護士は交渉に加えて、未払い残業代などの請求や裁判まで扱えます。争いがなければ労働組合、請求や争いがあれば弁護士を選ぶのが目安です。

まとめ:介護職の退職相談は「順番」と「言い方」で決まる

  • 介護の仕事を辞めた理由の1位は職場の人間関係(27.3%)。その中身の45.8%は上司や先輩の言動・パワハラで、相談すべき相手が悩みの原因になっていることが多い
  • 最初に伝えるのは直属の上司。同僚・利用者・家族に先に話さない。上司がハラスメントの当事者なら、順番を飛ばしてよい
  • 辞めると決めているなら、「相談」ではなく「退職のご報告」として、翌月のシフトが組まれる前に退職日まで伝える
  • 面談の前に、雇用契約書・就業規則・有給の残日数・資格取得支援の誓約書の4点を確認する
  • 外部の無料窓口は相談・確認まで。会社と交渉できるのは労働組合と弁護士の退職代行だけ
  • 有給が10日残っていれば、退職代行の費用を引いても約6〜10万円が手元に残る試算

退職の一言は、伝える順番と言い方を決めておけば、思っているより短い面談で終わります。上司に話せる関係なら、テンプレ1を送るところから始めてください。話せる関係でない、または引き止めがくり返されているなら、無理に一人で抱えず、第三者に任せる方法もあります。無料相談をしても、利用する義務はありません。

ナースリー編集部
ナースリー編集部 転職支援のプロが監修

看護師・介護士・薬剤師など医療・ヘルスケア領域の転職情報を専門に発信。キャリアアドバイザーとして医療従事者の転職支援に携わり、求人事業の立ち上げ・運営にも携わったメンバーが、現場で得たリアルな知識をもとに執筆・監修しています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました