3割の看護師がパワハラを経験|職場を変える転職ガイドと成功の秘訣【2026年版】

悩みを解消する

「師長から毎日怒鳴られる」「先輩に無視され続けている」——看護師のパワハラ被害は他業界と比べて深刻で、日本医療労働組合連合会の調査では約3割の看護師がパワハラを経験しています。

有効求人倍率2.4倍超の今は、看護師にとって転職市場が歴史的な売り手市場。パワハラ環境から抜け出し、よりよい職場へ移るチャンスは十分にあります。

この記事では、パワハラの具体例・法的定義・対処ステップから、面接での退職理由の伝え方・転職成功の秘訣まで、すべて網羅して解説します。

看護師がパワハラに悩みながらも転職を決意している場面

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看護師のパワハラとは?6つの種類と法的定義

2020年6月に施行された「労働施策総合推進法(パワハラ防止法)」により、職場のパワーハラスメント(パワハラ)防止が企業に義務付けられました(中小企業は2022年4月から適用)。法律上のパワハラは以下の3要件を同時に満たすものを指します。

パワハラの3要件(厚生労働省定義)

① 優越的な関係を背景にした言動
② 業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動
③ 労働者の就業環境が害される状態

出典:厚生労働省「職場のハラスメントに関する実態調査について」

パワハラは厚生労働省のガイドラインで6類型に分類されています。看護師の職場ではすべての類型が発生しやすい構造があります。

類型内容看護師の職場での例
①精神的攻撃暴言・侮辱・過剰な叱責大勢の前で怒鳴る・「使えない」と罵倒
②身体的攻撃暴行・傷害行為物を投げつける・肩を強くぶつけてくる
③人間関係の切り離し無視・孤立化挨拶を無視する・特定の人だけ連絡しない
④過大な要求不可能な業務量の強要経験不足なのに難易度が高い処置を一人でやらせる
⑤過小な要求能力を下回る業務しか与えない嫌がらせ目的で雑用しか割り当てない
⑥個の侵害プライバシー侵害・私的領域への介入プライベートの交友関係を根掘り葉掘り聞く

特に看護師の職場では「①精神的攻撃」「③人間関係の切り離し」が多発する傾向にあります。「指導」と「パワハラ」の線引きが曖昧にされやすく、被害者が「これは指導だ」と言い聞かせて我慢し続けるケースが後を絶ちません。

看護師のパワハラ実態|データで見る深刻な現状

看護師のパワハラ問題はデータでも裏付けられています。複数の調査を見ると、その深刻さが浮かび上がります。

調査機関・データ数値備考
日本医療労働組合連合会 看護職員労働実態調査パワハラ経験率 約30%以上2022年調査
SOKKIN ハラスメント実態調査職場でハラスメントが行われていると回答 96%看護師161人対象
同調査自分がハラスメントを受けたと回答 64%同上
同調査ハラスメントが原因で退職・退職検討 4割以上同上
厚生労働省(令和5年度)全職種でのパワハラ経験率 19.3%過去3年間の経験

出典:厚生労働省「職場のハラスメントに関する実態調査 結果概要(令和5年度)」

出典:株式会社SOKKIN「看護師のハラスメント実態調査」

厚生労働省の全職種平均が19.3%であるのに対し、看護師は30〜64%という高率です。なぜ看護師の職場ではパワハラが多発するのでしょうか。背景には構造的な問題があります。

パワハラが多い職場の構造的要因

なぜ看護師の職場ではパワハラが発生しやすいのか

・慢性的な人手不足による過重労働・ストレス蓄積
・厳格な上下関係(師長→主任→スタッフの階層構造)
・「患者のために我慢すべき」という職業的使命感の利用
・閉鎖的な職場環境(同じ病棟で毎日同じメンバーと勤務)
・夜勤・変則シフトによる疲弊と判断力の低下
・ハラスメント相談窓口の形骸化や上司による握りつぶし

また、パワハラの加害者として最も多いのは「同じ部署の上司」で次いで「医師」「同僚」の順であることが調査で明らかになっています。直属の上司からのパワハラは証拠収集や相談が困難なため、泣き寝入りするケースが多いのが現状です。

出典:看護roo!「看護現場の「パワハラ」をデータで見てみる」

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職場で起きるパワハラの具体例8選

「これはパワハラなのか、厳しい指導なのか」と判断できずに苦しんでいる看護師は少なくありません。以下の行為が継続的に行われている場合、パワハラに該当する可能性が高いです。

看護師が職場で上司から叱責される場面

看護師の職場でよくある8つのパワハラ行為

①大勢の前での罵倒・侮辱

「こんなこともわからないの?」「患者が死んでも知らない」など、他のスタッフや患者が見ている前での激しい叱責。業務上の指摘であっても、人前での侮辱は精神的攻撃型のパワハラに該当します。

②無視・情報の意図的な遮断

挨拶を無視する・業務連絡をわざと伝えない・引き継ぎ情報を渡さないなど。孤立化によって業務ミスを誘発させようとするケースも確認されています。

③休暇取得への嫌がらせ

有給休暇や生理休暇を申請すると嫌味を言われる・「なんで休むの?」と問い詰められる・休暇後にわかりやすく冷たくなる、といった行為。

④能力に見合わない業務の強制

経験の浅い看護師に難易度が高い処置を一人でやらせる・業務量を著しく超えた指示を出す。「プロなんだからできるでしょ」という言葉で正当化されがちです。

⑤退職・異動の強要

「あなたはここに向いていない」「早く辞めたほうがいい」など、退職や異動を繰り返しほのめかす言動。業務上の必要性がない場合はパワハラです。

⑥残業申請の妨害

超過勤務をしているにも関わらず、残業申請をすることを認めない・「自己研鑽の時間でしょ」と言って申請させない行為。

⑦プライベートへの過干渉

交友関係・恋愛・家族のことを根掘り葉掘り聞く・SNSを監視する・プライベートでの交際を強制するなどの「個の侵害」型。

⑧特定の人物だけへの偏った評価

同じミスをしても特定の人だけ激しく叱責される・評価制度を意図的に歪めて昇給・昇格を妨害する行為。

出典:レバウェル看護「看護師のパワハラの実態とは?被害の事例や4つの対処法、相談窓口を解説」

出典:CLIUS「看護師が「職場で受けたパワハラ発言」とは?アンケート結果まとめ」(2025年3月)

パワハラを受けたときの5ステップ対処法

パワハラを受けたとき、多くの看護師が「自分が悪いのかも」「我慢するしかない」と感じてしまいます。しかし泣き寝入りは禁物です。以下の5ステップで順番に対処しましょう。

STEP 1:記録を残す(証拠収集)

いつ・どこで・誰に・何をされたかを日付・時刻・状況と共にメモや日記に記録します。できれば音声録音(スマートフォンで可)も行いましょう。証拠は後で相談・申告する際の最も重要な武器になります。

STEP 2:信頼できる同僚・先輩に相談する

一人で抱え込まず、職場内で信頼できる人に打ち明けましょう。目撃者を確保することも証拠として有効です。

STEP 3:院内のハラスメント相談窓口を利用する

多くの病院には院内のハラスメント相談窓口が設置されています。上司が加害者の場合は、上司の上位職(副院長・看護部長等)または人事部門への相談も有効です。

STEP 4:外部機関に相談する

院内での解決が困難な場合は、労働基準監督署の総合労働相談コーナー(全国379か所)・みんなの人権110番(法務省)・労働組合弁護士などの外部機関を利用しましょう。費用が心配な場合は法テラスの無料相談も活用できます。

STEP 5:転職・休職を検討する

精神的・身体的なダメージが深刻な場合は、自分を守ることを最優先にして転職または休職を検討してください。パワハラ環境で働き続けることによる心身への影響は、取り返しがつかなくなる前に手を打つことが重要です。

注意:「証拠がなければ動けない」は誤解

「証拠がないからどうしようもない」と思い込んでいる看護師が多くいますが、証拠がなくても相談窓口は利用できます。複数人の証言や状況の説明だけでも調査が開始されるケースがあります。まずは相談することが第一歩です。

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転職を決断すべき3つのサイン

「まだ頑張れる」「転職すると迷惑をかける」と思っていつまでも我慢を続けてしまう看護師は多いですが、以下の3つのサインが見られたときは、転職を真剣に考えるべきタイミングです。

サイン①:心身に不調が出ている

不眠・食欲不振・朝起きられない・職場に行くと頭痛や吐き気がする。これらは精神的ダメージが蓄積されているサインです。うつ病や適応障害を発症してからでは回復に時間がかかります。

サイン②:改善の見込みがない

院内窓口に相談したが握りつぶされた・加害者が上位職のためだれも動かない・職場全体がハラスメントを容認している雰囲気がある。このような場合、院内での解決は非常に困難です。

サイン③:「転職したい」という気持ちが消えない

毎朝職場に向かうのが憂鬱・「辞めたい」という考えが1か月以上続いている。これは直感として「この職場は自分に合っていない」というサインです。看護師は転職市場で有利であるため、環境を変える決断をすることは賢明な選択です。

看護師の転職市場は今が最大のチャンス

看護師・保健師・助産師の有効求人倍率は2.4倍超(2024年度)。求職者1人に対して2件以上の求人があるため、転職しやすい状況が続いています。都市部では3.0倍を超える地域もあり、条件を絞っての転職も現実的です。

出典:メディカルサポネット「【看護職】有効求人倍率の推移」(2025年)

また、看護師に向いている転職先・おすすめの職場をあわせて確認しておくと、転職の方向性が明確になります。

夜勤なしの職場を希望する場合は、看護師の夜勤なし転職ガイドも参考にしてください。

パワハラから転職を成功させる方法

パワハラ環境から転職する際には、「次もパワハラ職場を選んでしまう」リスクを避けることが最重要です。転職を成功させる具体的なポイントを解説します。

看護師が転職エージェントと面談している場面

①転職エージェントを活用して職場の内情を入手する

転職エージェント(転職サービス)は、求人票には載らない職場の内情(スタッフの離職率・師長の人柄・残業の実態)を教えてもらえるため、パワハラのある職場を事前に避けることができます。

看護師向けの主要転職サービスを比較すると次の通りです。

サービス名特徴おすすめの人
レバウェル看護年間4,000回超の職場訪問・内部情報が豊富職場の実態を詳しく知りたい人
マイナビ看護師求人数8万件以上・累計利用者50万人選択肢を広く持ちたい人
ナース専科転職2025年オリコン顧客満足度3年連続No.1サポート品質を重視する人
看護プロ職場の口コミ情報が充実実際の働き方を口コミで確認したい人

出典:MEDIA「看護師転職でおすすめの転職エージェント9選」

転職エージェントの選び方・比較については、看護師向けおすすめ転職エージェント比較ガイドでも詳しく解説しています。

②病院見学で職場の雰囲気を必ず確認する

転職前には必ず病院見学を行いましょう。チェックするポイントは次の通りです。

  • スタッフ同士の会話に笑顔があるか
  • 挨拶文化があるか(スタッフが気持ちよく挨拶しているか)
  • 師長・主任が現場スタッフに威圧的でないか
  • ナースステーションの雰囲気が殺伐としていないか
  • 残業・有給取得の実態を担当者に直接聞けるか

③転職先の離職率・定着率を確認する

厚生労働省が公表している「病院の医療機能情報」では、スタッフの採用数・離職者数が閲覧可能です。離職率が高い職場は慢性的なパワハラや劣悪な労働環境が背景にある場合があります。

④転職のタイミングは「辞める前」が正解

精神的に限界を超えてから転職活動をすると、冷静な判断ができなくなります。転職活動は在職中に始めることが鉄則です。在職中であれば「条件に合う職場が見つかったら移る」という余裕ある姿勢で進められます。

転職のタイミングについては看護師の転職ベストタイミング完全ガイドも参考にしてください。

面接でパワハラを退職理由に使う際の伝え方

転職面接で「なぜ前職を辞めたのか」を聞かれたとき、パワハラが理由であっても正直に話すことは可能です。ただし伝え方には工夫が必要です。

NG例:悪口になってしまうパターン

「前の職場ではパワハラを受けて精神的に追い詰められました。師長が毎日怒鳴り続けてくる最悪な環境でした」

→ 前職への批判・感情的な表現が多く、面接官に「トラブルを起こしやすい人かも」という印象を与えるリスクがあります。

OK例:前向きな言い換えパターン

「前職では○年間、急性期病棟で多くの経験を積みました。しかし職場内のコミュニケーション環境に課題を感じ、改善を試みましたが状況が変わらなかったため転職を決意しました。より風通しのよい職場で自分の看護スキルを活かしたいと考えています」

→ 客観的な事実のみ・改善努力の言及・前向きな目的で締める、の3点が揃っています。

伝え方の3つのポイント

  • パワハラをメインに据えず「きっかけの一つ」として伝える
  • 前職の悪口・愚痴は徹底的に避ける(感情的に話さない)
  • 「次の職場でこうしたいから転職した」というポジティブな目的で締める

出典:キララサポート「看護師がパワハラで退職・転職する際に気を付けること」

看護師の面接対策全般については、看護師転職面接の頻出質問と回答例も合わせてご覧ください。

退職理由の具体的な書き方(志望動機との整合性)は看護師の志望動機の書き方・例文集でも解説しています。

よくある質問(FAQ)

Q パワハラを転職理由にしても選考で不利になりませんか?
A 適切な伝え方をすれば不利になりません。大切なのは「前職の批判」に終始しないことです。パワハラの事実を客観的に述べた上で「改善に努めたが難しかった」「よりよい環境でスキルを発揮したい」という前向きな言葉で締めれば、面接官は不採用の理由にしません。
Q パワハラを受けているが証拠がない。相談しても無駄ですか?
A 証拠がなくても相談は有効です。労働基準監督署の総合労働相談コーナーは証拠なしでも相談できます。また、複数の同僚の証言や被害者の日記(日時・内容・状況の記録)も証拠として機能します。まずは相談することが最初の一歩です。
Q パワハラを受けてうつ病になりました。すぐ転職できますか?
A 体調が回復してから転職活動を始めることをおすすめします。まずは主治医に相談し、休職制度を活用して療養することが先決です。転職自体は体調が安定してから転職エージェントに相談するのがスムーズです。休職中の転職活動については担当エージェントにも率直に伝えましょう。
Q パワハラをした上司に慰謝料を請求できますか?
A 可能です。パワハラは民法上の不法行為に該当するため、加害者個人および使用者(病院)に対して慰謝料を請求できます。ただし、証拠(録音・日記・医師の診断書等)が重要になります。弁護士や法テラスに相談して進め方を確認しましょう。
Q 転職してもまたパワハラにあわないか不安です。
A 転職エージェントを活用すれば、職場の離職率・師長の人柄・内部の雰囲気を事前に確認できます。また病院見学で現場の空気感を実際に確認することも重要です。複数の求人を比較し、焦らず職場選びをすることでリスクを大幅に下げられます。

まとめ:パワハラで悩む看護師は今すぐ行動しよう

  • 看護師のパワハラ経験率は約30〜64%と全業種平均(19.3%)を大幅に上回る
  • 4割以上の看護師がパワハラを理由に「退職・退職検討」した経験を持つ
  • パワハラを受けたら記録→院内相談→外部窓口→転職の順で対処する
  • 転職市場は有効求人倍率2.4倍超の売り手市場。転職しやすい環境が続いている
  • 転職エージェントと病院見学を組み合わせることで「またパワハラ職場を選ぶ」リスクを最小化できる
  • 面接での退職理由は客観的に・前向きに伝えることが採用成功の鍵

パワハラのある環境で我慢し続けることは、心身のダメージを蓄積するだけです。看護師の転職市場は今が歴史的な売り手市場——あなたのスキルを活かせる職場は必ず見つかります。まずは転職エージェントに無料相談してみましょう。以下のサービスでは、業界に特化した無料の転職相談が可能です。以下のサービスでは、業界に特化した無料の転職相談が可能です。

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ナースリー編集部
ナースリー編集部 転職支援のプロが監修

看護師・介護士・薬剤師など医療・ヘルスケア領域の転職情報を専門に発信。キャリアアドバイザーとして医療従事者の転職支援に携わり、求人事業の立ち上げ・運営にも携わったメンバーが、現場で得たリアルな知識をもとに執筆・監修しています。

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