言語聴覚士1年目が辞めたいと感じる5つのパターン
「資格を取って1年も経たないのに辞めたい」と感じる自分を責めていませんか。1年目STの悩みには共通の構造があります。まずは自分がどのパターンに当てはまるかを確認してください。
パターン1:業務ギャップ(理想と現実の差)
「ことばのリハビリで患者さんを支えたい」と志して入職したのに、実際は介護現場で食事介助や移乗が中心、嚥下訓練ばかりで小児領域の希望が通らない、書類とカルテ入力に終業後の2時間が消える——こうした業務内容のミスマッチは1年目STの退職理由の上位です。働く施設によって「言語訓練:嚥下訓練:事務作業」の比率が大きく異なるため、入職前のイメージと現場が乖離しやすい職種です。
パターン2:職場環境(PT・OT中心職場での孤立)
これがST特有の最大の悩みです。STの有資格者は約4.2万人、PT約21万人・OT約11万人に対してSTはPTの約5分の1、OTの約3分の1の少数派です。リハビリ部門ではPTが10〜20人いてもSTは1〜2人、新人ST1人で配属というケースも珍しくありません。教育係がSTでない(PT・OTが指導役)こともあり、専門技術の相談相手が職場内にいない状態で1年目を過ごすことになります。
出典:一般社団法人 日本言語聴覚士協会「会員動向」、PTOT人材バンク「言語聴覚士(ST)と理学療法士(PT)や作業療法士(OT)の違い」(2025年)
パターン3:給与(初任給24万円・手取り19万円前後)
厚労省 賃金構造基本統計調査(令和6年)によると、ST全体の平均月収は約31万円、年収444万円、新卒初任給は約24.6万円です。社会保険・税控除後の手取りは19万円前後で、3〜4年制の養成課程と国家試験を経た専門職としては決して高水準ではありません。残業や持ち帰り勉強の多さを時給換算すると割に合わなさが際立ちます。
出典:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」(言語聴覚士・関連職種の集計値)
パターン4:技術不安(評価・訓練に自信が持てない)
STが対象とする領域は失語症・構音障害・嚥下障害・小児言語発達・聴覚障害と幅広く、養成校で学ぶ範囲も膨大です。1年目で全領域に対応するのは不可能なのに、職場では「STなんだから何でも見られるよね」というプレッシャーがかかります。先輩STがいない職場では評価結果を相談する相手もおらず、「自分の介入で良かったのか」という不安が累積していきます。
パターン5:将来不安(収入の伸びと飽和問題)
ST有資格者は1997年の国家資格化以降、年々増加しています。配置人数が少ない一方で、施設あたりの需要が大きく伸びるわけではないため、給与の天井が見えやすい職種でもあります。「このまま続けても5年後・10年後の自分が見えない」という閉塞感が1年目から退職を考えるきっかけになります。
出典:PTOT人材バンク「言語聴覚士(ST)の離職率と離職の原因」(2025年)
ST業界の実態データ|PT・OTより少数派という構造
1年目STの「辞めたい」を業界全体の構造から見ていきます。同期に相談しても共感を得にくいのは、そもそもSTの絶対数が少なく「同じ立場の人」と出会いにくいからです。
| 指標 | 数値 | 備考 |
|---|---|---|
| ST有資格者数(2024年3月) | 約41,657人 | PTの約1/5、OTの約1/3 |
| 養成校数 | 75校 | PT273校・OT204校と比較して少ない |
| 勤務先:医療(病院・診療所) | 約60.3% | 急性期・回復期・維持期病院など |
| 勤務先:医療/介護複合施設 | 約17.9% | 老健・地域包括ケア病棟など |
| 勤務先:介護施設 | 約6.5% | 特養・通所リハ・訪問リハなど |
| 勤務先:福祉 | 約4.7% | 障害者・児童福祉施設、保健所など |
| 勤務先:その他(支援学校等) | 約8.4% | 特別支援学校・養成校・研究機関など |
| 平均月収(全年代) | 約31.1万円 | 令和6年 賃金構造基本統計調査 |
| 平均年収(全年代) | 約444万円 | 賞与70.5万円含む |
| 新卒初任給 | 約24.6万円 | 令和6年データ |
| 平均勤続年数(PT・OT・ST合算) | 約9.5年 | 男性9.8年・女性9.3年 |
| 離職が多い時期 | 勤続2〜5年 | 厚労省 雇用動向調査ベース |
出典:日本言語聴覚士協会「会員動向」、厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」、厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況」
なぜSTの新人は孤立しやすいのか
大学病院など大規模施設でもSTは10名前後、中小病院や老健施設では1〜2名配置が標準です。「STが1施設に1人だけ」という配置パターンは全国で多数を占めています。これはPT・OTでは起こりにくい状況で、新人STだけが直面する問題です。
結果として:
- 同職種の先輩がいない・教育係がPTまたはOT
- 専門技術(音声機能訓練・嚥下評価VE/VF・SLTAなど)の相談相手が不在
- 同期STと部署内で会えない(同じ施設に配属されない)
- 勉強会も自分で外部に探しに行く必要がある
- カンファレンスで「ST視点」を1人で背負う重圧
これらは個人の能力不足ではなく、業界の人員構造そのものが生んでいる課題です。
状況別フローチャート|辞めるか続けるかを判断する3問
「今すぐ辞めるべき」「もう少し続けるべき」「環境を変えるだけでよい」の判断材料を、3つの質問で整理します。当てはまる選択肢へ進んでください。
あなたに合うサービスはこれ|4サービスから1分で選ぶ
上のフローチャートで診断した結果に合わせて、該当するカードをタップしてください。相談はすべて無料です。
こんな人にSTとして辞めたいが手続きに不安がある。有給消化・職場との連絡も全部任せたい人。男女問わず対応。
こんな人に女性STで職場の人間関係・パワハラに悩んでいる。女性専門スタッフに相談したい人。
こんな人に男性STで「弱音を吐けない」「家族に説明しづらい」状況にいる。男性専門スタッフに話したい人。
こんな人にパワハラ・未払い残業代・有給拒否など、法的問題がある。証拠を残して確実に退職したい人。
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退職代行4サービスの実質コスト比較
「退職代行を使ったら手取りからいくら飛ぶか」をST1年目の給与水準で計算しました。費用と「翌月から解放される価値」を冷静に比較してみてください。
| サービス | 料金(正社員) | 手取りに対する比率 | 全額返金保証 | 交渉権 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|---|
| 退職代行JOBS | 27,000円 | 約14% | あり | 労働組合 | 弁護士監修・24時間対応・男女兼用 |
| わたしNEXT | 21,800円 | 約11% | あり(100%返金保証) | 労働組合 | 女性専用・成功率100%・JRAA特級認定 |
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| 弁護士法人みやび | 27,500円〜 | 約14%〜 | なし(弁護士保証) | 弁護士(最強) | 残業代・退職金回収可(成果報酬20%) |
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実質コスト計算:ST1年目の1ヶ月手取りでどこまでカバーできるか
ST1年目の手取り月収は19万円前後。退職代行費用2.2〜2.8万円は手取りの約11〜14%です。「直接上司に伝える精神的コスト」「引き止め交渉に1〜2ヶ月かかる時間コスト」「ストレスで体調を崩した場合の医療費・休職リスク」と比べると、実質コストは十分に見合います。
弁護士法人みやびを選ぶべき具体的なケース
- 職場でパワハラ・モラハラ・暴言を受けている(録音・LINE等の証拠あり)
- サービス残業・持ち帰り業務で残業代が未払いになっている
- 有給消化を「ST1人しかいないから無理」と拒否されそう
- 退職金や貸与物(書籍代立替・研修費返還など)でトラブルになりそう
- 書面での証拠保全・損害賠償の予防が必要
残業代回収などの交渉成功時には回収額の20%が成果報酬として追加されますが、回収できた金額からの支払いなので持ち出しリスクは小さいです。
ST特有の引き止め文言への対抗マニュアル
退職を伝えるとST業界ではほぼ確実に以下のような言葉が返ってきます。少数派職種だからこそ「あなたが辞めると現場が回らない」という圧をかけられやすいのです。事前に切り返しを準備しておきましょう。
「STが1人しかいないのにどうするんだ」
これは典型的な「組織の責任を個人に転嫁する」パターンです。1人配置の問題は経営判断であってあなたの責任ではありません。冷静に「ST採用枠を増やすのは経営の仕事」と整理してください。
「3年は続けないと専門性が身につかない」
3年ルールに法的根拠はありません。民法627条により、雇用期間の定めがなければ2週間前の申し出で退職は成立します。むしろ「専門性が身につかない環境に3年いる方がキャリアロスが大きい」と捉えるべきです。
「あなたが担当している患者さんが困る」
患者への責任を個人で背負わせるのは典型的な引き止めパターンです。引き継ぎ意思を示しつつ、退職の意思は変えないことを明確にします。患者さんへの責任は組織全体で負うべきものです。
「ST資格を取ったのにもったいない」
ST資格は一度取得すれば失効しません。職場を変えてSTを続ける選択肢も、一旦離れて別業界を見る選択肢も両方残っています。
「次の職場が決まってないなら辞めるな」
「次が決まってから辞める」が常に正解ではありません。体調が悪い状態で転職活動をすると判断力が落ち、また同じような職場を選んでしまうリスクが高まります。一旦休んで冷静に選ぶ方が結果的に良い転職になるケースが多いです。
直接言えない場合は退職代行で問題なし
上記の切り返しを試みても引き止めが激しい・上司と話すこと自体が無理な状況なら、迷わず退職代行を使ってください。退職代行を使うことは法的に何の問題もありません。民法上、退職の意思表示は代理人(業者・弁護士)を通じて行うことが認められています。「直接言えない自分が悪い」と思う必要は一切ありません。
LINEテンプレ|家族説得用・退職代行依頼用
退職の意思は固まったけれど、家族や退職代行業者にどう切り出せばよいか分からない方のために、コピペで使えるLINEテンプレを用意しました。
テンプレ1:家族(親・配偶者)への説明用
急にこんな話でごめん。
4月から働き始めた病院(施設)を辞めようと思ってる。
理由はいくつかあるけど、いちばん大きいのは
・職場にSTが私1人(or 教育係がSTじゃない)で、相談相手がいないこと
・残業や持ち帰り業務が多くて、心身ともに限界に近いこと
・今のままだと専門性も伸びないし、健康も保てないこと
資格はそのままだから、整えてから別の職場でSTを続けたい(or 一度別の道も考えたい)と思ってる。
退職代行というサービスを使うつもり。費用は2〜3万円で、1ヶ月分の手取りからすると現実的な金額だと判断した。
心配かけてごめんね。決めたから後で話そう。
家族説得は「結論→理由→費用→次の見通し」の順で伝えると受け入れられやすいです。特にST業界の少数派配置は一般の人には伝わりづらいので、「相談相手がいないこと」を具体的に説明することが重要です。
テンプレ2:退職代行業者への初回相談用
はじめまして。言語聴覚士1年目で退職を検討しています。
■現在の状況
・職種:言語聴覚士(ST)
・勤務先の種別:(病院 / 介護施設 / 通所リハ / 支援学校 / その他)
・雇用形態:正社員
・入職時期:2025年4月
・職場のST配置:(自分1人 / 自分含めて〇人)
・辞めたい主な理由:(例:少数派配置で相談相手がいない / 残業の多さ / 業務ギャップ / パワハラ など)
■希望
・退職希望日:できるだけ早めに(目安:〇月末)
・有給休暇の残日数:(把握している場合は記載)
・職場への連絡:すべて代行していただきたい
■気になること
・料金の支払い方法とタイミング
・退職後の書類(離職票・源泉徴収票)の受け取り方
・貸与物(白衣・名札・教科書など)の返却方法
まずは相談できますか?よろしくお願いします。
このテンプレを送るだけで初回相談はスムーズに進みます。「相談だけでも歓迎」が業界標準なので、費用説明を聞いてから依頼するか決めれば問題ありません。
- 就業規則の退職に関する記載(退職申し出の何日前か)
- 有給休暇の残日数(給与明細・勤怠システムで確認)
- 貸与物(白衣・名札・専門書籍・PHS・ロッカー鍵など)の一覧
- 健康保険の切替方針(国保加入 or 任意継続)
- パワハラ等がある場合は証拠(LINE・録音・タイムカード)の保全
1年目で辞めた後の転職ロードマップ
「ST資格を活かして転職」「異業種へ転身」の2ルートを整理します。ST1年目の経験は、思っているより市場価値があります。
ルートA:ST資格を活かして職場を変える(最有力)
ST業界は人手不足・有資格者の絶対数が少ない状態が続いているため、1年目で転職しても求人は豊富にあります。むしろ「1年目で違和感に気づいた」ことを次の職場選びに活かす方が、長く続けられるキャリアになります。
- 退職決定・退職代行で手続き完了(1〜2週間で完結)
- 有給消化・失業給付の手続き(休養期間を確保)
- リハビリ職特化型の転職サービスへ登録(PTOT人材バンク・マイナビコメディカル・ジョブメドレーなど)
- 働き方の優先順位を整理:ST複数配置 / 残業少なめ / 領域(成人/小児/嚥下) / 勤務地 / 年収
- 見学・面接で職場文化を確認:「ST配置人数」「教育担当者の有無」「年間離職率」「勉強会は強制か任意か」を必ず質問
- 入職・転職完了(離職から1〜3ヶ月が標準)
関連記事も参考にしてください:言語聴覚士の未経験求人 / 理学療法士1年目で辞めたい / 作業療法士1年目で辞めたい
ルートB:異業種への転職
「ST自体が向いていなかった」と感じる場合の転職先候補です。ST経験は対人支援スキル・解剖学知識・観察力など、医療外でも評価される強みが多くあります。
| 転職先 | ST経験の活かし方 | 転職のしやすさ |
|---|---|---|
| 医療機器メーカー(嚥下関連・聴覚機器) | 臨床知識・現場での製品ニーズ理解 | ★★★ |
| 補聴器メーカー・専門店 | 聴覚障害領域の専門知識 | ★★★ |
| 福祉用具・介護用品メーカー | 嚥下食・コミュニケーション支援機器 | ★★★ |
| 医療系IT・電子カルテ企業 | 医療現場の業務理解 | ★★ |
| 児童発達支援(児発・放デイ)の指導員 | 小児言語発達の知識 | ★★★ |
| 一般企業(人事・教育研修) | 傾聴力・対人支援スキル | ★★ |
関連リハビリ職の転職先記事:理学療法士の転職先おすすめ / 作業療法士の転職先おすすめ
看護師の事例も参考に
同じ医療職で1年目離職を経験した看護師の事例も、心理的なステップとして参考になります:看護師1年目で辞めたい
よくある質問
まとめ
言語聴覚士1年目で辞めたい方へのポイント
- STは有資格者約4.2万人と少数派。PT・OTより圧倒的に少なく、1施設1〜2名配置が標準。新人の孤立は構造的問題
- 身体・精神症状が出ている、3ヶ月以上悩んでいる場合は今すぐ退職を検討すべき
- 「3年は続けろ」「ST1人だから困る」に法的根拠はない。民法上は2週間前の申し出で退職可能
- 退職代行費用は手取りの約11〜14%。有給消化と組み合わせれば実質コストはさらに下がる
- 法的問題(パワハラ・未払い残業代)があれば弁護士法人みやびを選ぶ
- ST資格は失効しない。ST複数配置の施設・小児領域・補聴器業界など、選択肢は意外と豊富
1年目STが辞めたいと感じるのは、あなたの能力や根性の問題ではなく、ST業界の人員構造そのものが生んでいる必然です。少数派配置で相談相手がいない状態を「もう少し頑張れば慣れる」と言われ続けると、心身が消耗してSTという仕事自体を嫌いになってしまいます。それが最も避けるべき結末です。
退職は逃げではなく、ST資格を長く活かすための正当な選択です。まずは無料相談から始めて、現在の負担を最小化してください。
明日も「ST1人で全部背負う」一日を、繰り返しますか
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