介護士50代の転職は可能?採用される人の特徴と成功のコツを現場データで解説【2026年版】

転職ガイド

「50代で介護職に転職しても採用されるの?」「体力的にきつくないか不安」——そんな悩みを抱えている方は多い。

結論から言うと、介護業界は50代の転職者を積極的に迎え入れる体制が整っている。有効求人倍率は全職種平均の約3倍超と、慢性的な人手不足が続いており、採用の間口は広い。ただし、職場の選び方や自己アピールの仕方を間違えると、体力的・精神的なミスマッチが起きやすい年代でもある。

この記事では、50代の介護士転職に関する採用実態・年収相場・おすすめ施設タイプ・成功するためのコツを、公的機関や転職サービスのデータをもとに具体的に解説する。

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50代介護士の転職市場——求人倍率と採用実態

介護職の有効求人倍率は全職種平均の約3倍

厚生労働省の一般職業紹介状況によると、介護関係職種の有効求人倍率は2024年3月時点で3.97倍、2025年5月時点でも3.41倍と、引き続き全職種平均(1.16〜1.31倍)の3倍前後を維持している。訪問介護に至っては14.14倍という異常な水準だ。

出典:厚生労働省「令和4年版厚生労働白書」有効求人倍率(介護関係職種)の推移

出典:介護ニュースJoint「訪問介護のヘルパーの有効求人倍率、昨年度は14.14倍」

人手不足の規模感:厚生労働省の試算では2026年に介護職員が約25万人不足する見込み。現時点でも全国平均で需要が供給を大幅に上回っており、採用競争は事業者側にある。

出典:「介護人材不足2025厚生労働省データ|必要数245万人に32万人不足の現実」

50代の採用実態——事業所は「意欲と人柄」を重視

介護事業所の採用担当者が重視する要素を見ると、資格や経験よりも意欲・コミュニケーション能力・人柄が上位に挙がる。実際、「介護資格や介護経験の有無にこだわらないようにしている」と答えた事業所は41.5%にのぼる。

ただし50代を採用する際に施設が懸念するのは主に2点だ。

  • 体力・健康面が長く維持できるか
  • 職場のルールや若いスタッフの指示に柔軟に対応できるか

裏を返せば、「元気で柔軟、素直」な50代は採用されやすい。前職でのプライドや経験を押し出しすぎると逆効果になる。

出典:マイナビ介護職「介護職の50代で介護職転職を成功させるポイント」

50代の年収相場——転職後の給与はどれくらい?

介護職全体の平均年収

ジョブメドレーの調査(2025年)によると、介護職の平均年収は約326万円。月収換算では約27万円前後が相場だ。

出典:ジョブメドレー「介護職(介護士)のリアルな給料・年収」(2025年最新)

50代の年収は資格と施設で大きく変わる

資格・経験 月収目安 年収目安
無資格・未経験 22〜24万円 264〜288万円
介護職員初任者研修 24〜26万円 288〜312万円
介護福祉士(3年以上経験) 27〜32万円 324〜384万円
介護福祉士+ユニットリーダー等 30〜36万円 360〜432万円

出典:湘南国際アカデミー「介護職の給与2025年最新|資格別年収と賃上げ動向」

50代のリアル:転職時は勤続年数がリセットされるため、前職での勤続手当は失う。ただし処遇改善加算に積極的な施設を選べば、勤続1〜2年で月1〜3万円の加算が追加されるケースが多い。転職先選びで「処遇改善加算の取得状況」を必ず確認しよう。

夜勤手当を活用すれば年収アップが狙える

夜勤1回あたり5,000〜15,000円の手当が相場で、月4回こなすと月収が2〜6万円上乗せされる。体力に自信のある50代なら、夜勤あり求人も積極的に検討する価値がある。

介護職の年収全般については介護士の年収・給料完全ガイドも参照してほしい。

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50代転職のメリット・注意点

50代が介護職転職で活かせる強み

  • 人生経験・共感力:子育て・家族介護・職場での後輩指導など、多様な経験が利用者・家族との信頼関係構築に直結する
  • 定着率の高さ:20〜30代と比べて転職回数が落ち着く年代のため、施設側から「長く働いてくれる」と期待されやすい
  • コミュニケーション能力:接客・営業・教育職など異業種経験がある場合、チームワーク面で即戦力と見なされる
  • 落ち着いた対応力:緊急時やクレーム対応で冷静に動ける経験値がある

50代特有の注意点

体力面:移乗・入浴介助など身体介護は腰への負担が大きい。ノーリフティングポリシー(リフトや福祉用具で腰を守る方針)を取り入れている施設を選ぶことが長期就業の鍵になる。

夜勤体制や身体介護の比率は施設見学や面接で必ず確認しよう。「体力に不安があるからこそ、道具を使いながら安全に働きたい」と正直に伝えるほうが、入職後のミスマッチを防ぎやすい。

前職のプライドに注意:前の職場での「当たり前」が新職場では通じないことは多い。特に異業種からの転職者は、指示系統や業務手順をゼロから学ぶ姿勢が採用担当者に評価される。

50代に向いている施設タイプ

施設の種類によって業務内容・体力負担・給与・夜勤の有無が大きく異なる。自分の体力・生活スタイルと照らし合わせて選ぼう。

施設タイプ 夜勤 体力負担 50代向けポイント
デイサービス なし(日勤のみ) 生活リズムが安定。家庭との両立しやすい
グループホーム あり(少ない) 低〜中 家庭的な雰囲気で認知症ケアのスキルが身につく
訪問介護 なし 自分のペースで動ける。体力より対人スキルが重要
サービス付き高齢者向け住宅 あり 特養より介護度が低い入居者が多く負担が軽め
特別養護老人ホーム(特養) あり(多い) 給与水準が高いが身体介護の負担も大きい

50代初転職なら:まずはデイサービスかグループホームから始めるのが現実的。日勤主体で介護の基礎を身につけてから、余裕があれば夜勤手当目当てで施設変更を検討しよう。

デイサービスや未経験転職の詳細については介護職未経験から転職する方法の記事が参考になる。

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転職を成功させる5つのコツ

1. 「体力より経験値」でアピールする

体力面の懸念を正面から打ち消そうとするより、「コミュニケーション力」「異業種での管理・指導経験」「家族の介護経験」など人生経験からくる強みを前面に出す。採用担当者が50代に期待しているのは若手にはない「場の空気を読む力」だ。

2. 複数の施設を見学して比較する

求人票だけでは職場の雰囲気や身体介護の比率はわからない。見学時に確認すべき項目は次のとおり。

  • 50代以上のスタッフが実際に在籍しているか
  • リフトやスライディングボードなど福祉用具があるか
  • 処遇改善加算Ⅰ〜Ⅲを取得しているか
  • 夜勤の回数・手当の金額
  • 入職後の研修・OJT体制

3. 初任者研修を取得してから応募する

無資格でも応募可能な求人は多いが、介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級)があると採用率が大幅に上がる。取得費用は3〜10万円、期間は最短1〜2ヶ月程度。転職エージェント経由なら費用補助が受けられる場合もある。

4. 夜勤・身体介護の希望を最初から明確にする

「夜勤は月2回まで対応可能」「腰に持病があるため移乗は福祉用具使用が条件」など、自分の制約を最初から正直に伝える。後からギャップが出るほうが双方にとってマイナスだ。

5. 介護専門の転職エージェントを使う

介護職専門エージェントは、非公開求人・処遇改善の実態・施設の雰囲気を把握している。一般求人サイトでは見えない「50代でも歓迎されている施設」を紹介してもらえる点が大きい。

転職活動全体の流れは介護職転職の面接対策も合わせて確認しておこう。

介護施設でスタッフが研修を受けている様子

資格取得でキャリアを安定させる

50代からでも取れる資格とキャリアパス

介護職は資格取得によって給与・待遇が明確にステップアップする構造になっている。50代で転職してからでも遅くはない。

資格名 取得条件 取得後の給与効果
介護職員初任者研修 約130時間(最短1ヶ月) 月収+1〜2万円
介護福祉士実務者研修 約450時間(最短6ヶ月) 月収+2〜3万円
介護福祉士(国家資格) 実務3年+実務者研修修了 月収+3〜5万円+資格手当
ケアマネジャー 介護福祉士として5年以上の実務 月収+5〜8万円(管理職相当)

出典:湘南国際アカデミー「介護福祉士の給料が上がる方法は?2025年最新の処遇改善活用術」

50代で転職→介護福祉士取得のモデルケース:55歳で転職し、初任者研修→実務者研修→58歳で介護福祉士国家試験合格というパスは十分現実的。60代前半まで専門職として安定して働けるキャリアが構築できる。

介護職の年収を上げる具体的な方法については介護士の年収を上げる方法で詳しく解説している。

よくある質問

Q 50代未経験でも介護職に採用されますか?
A 採用されます。介護業界は有効求人倍率3〜4倍台の慢性的な人手不足で、41.5%の事業所が「資格・経験不問」で採用している。ただし体力面や柔軟性への懸念を払拭する自己PRが必要。デイサービスやグループホームのような日勤主体の施設から始めると入りやすい。
Q 50代での介護転職は体力的にきついですか?
A 施設の種類と職場環境によって大きく異なる。特養の夜勤ありポジションは体力的に厳しい場合があるが、デイサービス・訪問介護・グループホームは比較的負担が軽い。福祉用具(リフト・スライディングボード)を積極的に使う施設を選ぶことと、見学時に実際の業務内容を確認することが重要。
Q 転職後の年収は下がりますか?
A 前職の年収水準によって異なる。介護職の平均年収は約326万円(2025年)で、高収入職種から転職すると下がる可能性が高い。ただし資格取得・夜勤対応・処遇改善加算の活用で年収400万円台も十分狙える。経済的な優先順位を整理したうえで判断しよう。
Q 何歳まで介護士として働けますか?
A 定年延長・再雇用制度が整備されている施設では70代まで現役で働いているスタッフも存在する。体力負担の少ないデイサービスや相談業務(生活相談員・ケアマネ)にシフトすることで、長期就業が可能。50代で転職しても「あと10〜15年のキャリア」を描ける業界だ。
Q 転職エージェントは使ったほうがいいですか?
A 使うべき。介護専門エージェントは非公開求人・施設の実態・処遇改善の取り組み状況を熟知しており、50代歓迎の施設を絞り込んで紹介してもらえる。利用は無料で、初任者研修の受講費用補助がついている場合もある。

まとめ

  • 介護業界は有効求人倍率3〜4倍台の慢性的人手不足で、50代でも採用の門戸は広い
  • 採用担当者が重視するのは「体力」より「意欲・柔軟性・人生経験」
  • 50代の年収相場は約264〜384万円。資格取得と処遇改善加算の活用で年収アップを狙える
  • デイサービス・グループホーム・訪問介護は体力負担が比較的軽く50代初転職に向いている
  • 施設見学で福祉用具の有無・処遇改善加算の取得状況を必ず確認する
  • 介護専門転職エージェントを活用すれば非公開求人・施設の実態情報を得られる

50代での介護転職は「遅すぎる」ことはない。人手不足が深刻化する介護業界では、むしろ人生経験豊富な50代を歓迎する施設が確実に存在する。体力的な懸念があるなら職場タイプを絞り、資格を取りながら着実にキャリアを積む道が現実的だ。

まずは介護専門転職エージェントに登録して、非公開求人を含めた選択肢を確認することから始めよう。以下のサービスでは、業界に特化した無料の転職相談が可能です。

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※本記事の年収データは公開情報および各調査を参考にしており、個人の経験・資格・勤務地・施設形態によって大きく異なります。転職判断は必ず自身の状況を踏まえてご検討ください。

ナースリー編集部
ナースリー編集部 転職支援のプロが監修

看護師・介護士・薬剤師など医療・ヘルスケア領域の転職情報を専門に発信。キャリアアドバイザーとして医療従事者の転職支援に携わり、求人事業の立ち上げ・運営にも携わったメンバーが、現場で得たリアルな知識をもとに執筆・監修しています。

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