理学療法士を辞めたい新卒へ|1年目の退職を後悔しない5つの判断基準【2026年版】

悩みを解消する
理学療法士の新卒が辞めたいと感じて書類を確認している様子
「国家資格まで取ったのに、こんなに辛いなら辞めてしまいたい」と悩む理学療法士の新卒・1年目は珍しくありません。厚生労働省の調査によると、医療・福祉分野の新規学卒就職者の3年以内離職率は約33%にのぼり、理学療法士の平均勤続年数は全職種平均11年を大幅に下回る6.1年というデータもあります。この記事では、辞めるべきか続けるべきかを判断する5つの基準・退職代行を使った即日退職の方法・転職ロードマップまでを一気にまとめます。

理学療法士の新卒が辞めたいと感じる6つの理由

理学療法士の求人倍率は高く「なりやすい職業」ですが、入職後に離職を考える新卒が多いのも事実です。その背景にある6つの理由を整理します。

1. 初任給への失望感

厚生労働省「令和4年度賃金構造基本統計調査」によると、理学療法士の初任給平均額は約239,100円です。大学4年間・国家試験勉強の苦労を経た報酬として「少なすぎる」と感じる新卒が後を絶ちません。また手取りにすると約19〜20万円台となり、奨学金返済が重なるケースでは生活の圧迫感が増します。

出典:厚生労働省「令和4年度賃金構造基本統計調査」(2023年3月公表)

2. 業務量・残業の多さ

患者さんのリハビリ対応だけでなく、カルテ記録・入退院サマリー・研究発表・勉強会の準備など、臨床外業務が想定以上に多いという声が多数あります。サービス残業が常態化している職場では、心身を崩す新卒も少なくありません。

3. 人間関係(上司・先輩)のプレッシャー

「毎日先輩に詰められる」「指導が厳しすぎて委縮してしまう」という相談はリハビリ職のコミュニティでも頻繁に上がります。特に急性期病院では医師・看護師・他職種との連携が多く、新卒の精神的負担は大きくなりがちです。

4. 患者さんへの責任感による燃え尽き

担当患者が回復しない、または急変・転帰不良が続くと、「自分の技術のせいかもしれない」という罪悪感が積み重なります。完璧主義の人ほど燃え尽き症候群になりやすく、1年目で精神的に限界を迎えるケースがあります。

5. ノルマ・単位数のプレッシャー

回復期リハや訪問リハの現場では「1日○単位以上」というノルマが課される職場も多く、新卒がスピード対応をこなしきれずに「量だけこなす」状態に陥ることがあります。患者さんに向き合えないジレンマが離職の引き金になります。

6. 将来への不安(キャリアの見えなさ)

理学療法士の供給過多は進んでおり、2040年には需要に対して約1.5倍の供給過剰になるという試算もあります。「20年後も同じ仕事を続けられるのか」という不安を感じ始める新卒が増えています。

データで見る理学療法士の離職実態(2026年5月時点)
  • 理学療法士の平均勤続年数:6.1年(全職種平均11年)
  • 医療・福祉分野の3年以内離職率:約33%(厚労省・令和4年3月卒業者)
  • 理学療法士の離職率:約19%(うち介護施設勤務では18.8%)
  • 初任給平均:約239,100円(令和4年度賃金構造基本統計調査)

出典:厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)」

理学療法士の新卒が悩みを抱えて書類を眺めている実写風画像

辞めていいか診断|状況別フローチャート

「辞めたい気持ちはあるが本当に辞めていいのか」——この問いに答えるフローチャートです。トップから順に読み進めてください。

心身に症状(不眠・食欲不振・頭痛・動悸)が出ているか?
心身症状あり → 今すぐ退職を検討すべき。健康を最優先に。退職代行での即日退職が有力な選択肢です。
症状なし → 次の質問へ
「辞めたい理由」が職場固有(人間関係・職場環境)か、理学療法士という職業自体への不満か?
職場固有の問題 → 転職(PT職場を変える)が有効。退職代行+転職エージェントのセットが最速です。
職業自体への不満 → 次の質問へ
異業種で活かせるスキル(コミュニケーション・身体評価・機能訓練の知識)に興味があるか?
活かしたい → 医療機器メーカー・福祉用具専門相談員・スポーツトレーナーなどへの異業種転職を検討。
PT自体を続けたい迷いあり → 次の質問へ
「もし給料と残業が改善されたら続けたいか?」
続けたい → 転職(条件交渉より転職が現実的)。回復期・外来クリニックへの転職でWLB改善を狙う。
それでも辞めたい → 退職代行+キャリアチェンジ。まず退職し、療養しながら次を考える。
新卒1年目で辞めることは「逃げ」ではありません
民法627条は「雇用期間の定めがない場合、2週間前の申告で退職できる」と規定しています。契約上の制約がないのに「続けなければならない」ことはなく、心身の健康を守るための退職は正当な権利行使です。

実質コストシミュレーション|退職代行 vs 自力退職

「退職代行はお金がかかる」と思われがちですが、精神的コスト・機会損失・有給消化を含めると自力退職のほうが損になるケースがあります。以下で比較します。

ケース1:自力退職(3ヶ月かかった場合)

コスト内訳

院長・上司への退職交渉(精神的消耗)
引き止めで退職日が遅れた場合の機会損失(月給×2〜3ヶ月)+47.8万円〜71.7万円
有給消化できず消滅した場合(20日分・日給換算)+約16万円相当の損失
退職代行費用0円
実質損失合計(概算)60〜90万円相当

ケース2:退職代行を使った即日退職(翌日から有休消化)

コスト内訳

退職代行費用(例:退職代行JOBS)+26,000円
有給消化(20日分)で受け取れる給与+約16万円
翌月から転職先で働ける(1〜3ヶ月の機会損失ゼロ)+47.8万円〜
実質的な「得」(概算)+約19〜60万円
理学療法士の職場特有の注意点
医療職は「患者さんのため」という義務感から退職を切り出しにくい構造があります。しかし法律上、退職は労働者の権利であり、施設側が「患者がいるから辞められない」と引き止めるのは違法です(民法627条)。引き止めが強い場合は退職代行の利用を検討する価値があります。

「引き止め」「患者さんがいる」トーク対抗マニュアル

理学療法士の職場は「患者さんの担当を引き継げる人がいない」「国家資格まで取ったのにもったいない」など独特の引き止めトークが多いです。以下で対抗策を解説します。

理学療法士が上司と退職の話し合いをしている実写風場面

引き止めトーク①「患者さんのことを考えてほしい」

対抗フレーズ例:
「担当患者さんへの影響を最小化するよう、引き継ぎは丁寧に行います。ただ、私自身の健康状態を優先しなければ継続的なケアが難しい状況です。退職日は〇月〇日でお願いします。」

患者さんへの配慮を示しながらも、「退職日は決定事項」として伝えることが重要です。情に訴えられても交渉に応じない姿勢を維持してください。退職代行を使えばこのやり取りを代わりに行ってもらえます。

引き止めトーク②「1年は続けないとどこでも雇われない」

対抗フレーズ例:
「1年以内の転職でも採用している職場は多くあります。理由を正直に話した上で転職活動を進めます。これ以上続けることが困難な状況です。」

実際、PT・OT専門の転職エージェントは1年未満の転職者を多数サポートしており、「1年以内は不利」は根拠のない脅しである場合がほとんどです。

引き止めトーク③「給料を上げるから考え直して」

対抗フレーズ例:
「ありがとうございます。ただ、給与以外の理由(○○)でお世話になることが難しい状況ですので、意思は変わりません。」

条件交渉に応じると退職日が先延ばしになるリスクがあります。根本的な理由(職場環境・人間関係)が解決しないまま給与だけ上げても、辞めたい気持ちは変わりません。

引き止めトーク④「退職届を受理できない」

対抗フレーズ例(または行動):
退職届を内容証明郵便で送付する。もしくは退職代行サービスに依頼して代理通知させる。

退職届の受理を拒否する行為は違法です。内容証明で送付した時点で法的に退職の意思表示が完了します。退職代行サービスはこの手続きを代行します。

そのまま使えるLINE相談テンプレ

退職代行サービスへの最初のLINE相談は何を書けばいいか迷う人が多いです。以下のテンプレートをそのままコピーしてご利用ください。

テンプレート①:即日退職を希望する場合

はじめまして。退職代行サービスへの相談をしたいです。 【状況】 ・職業:理学療法士(新卒1年目) ・雇用形態:正社員 ・退職の希望時期:できるだけ早く(即日〜今週中) ・有給休暇の残日数:○日(不明な場合は「確認中」でOK) 【退職を希望する理由(簡単に)】 ○○(例:人間関係・業務量・体調不良など) 【懸念点】 上司に引き止められることが心配です。対応できますか? まずは費用・手続きの流れを教えてください。

テンプレート②:未払い残業代・ハラスメント請求も検討している場合

退職代行と同時に残業代・ハラスメントについて相談したいです。 【状況】 ・職業:理学療法士(新卒1年目) ・雇用形態:正社員 ・月あたりの残業時間の目安:○時間(サービス残業含む) ・ハラスメントの内容:○○(例:上司からの暴言・圧力) 退職代行とあわせて会社への請求交渉は対応可能ですか?

上記テンプレートは退職代行JOBS・わたしNEXT・男の退職代行のいずれにも使えます。未払い残業代の請求まで希望する場合は弁護士法人みやびへの相談が最も適しています。

退職後の転職ロードマップ(3ヶ月計画)

「退職してから何をすればいいか分からない」という不安を解消するため、退職決意から転職成功までの3ヶ月計画を示します。

1

Week 1〜2:退職手続き+療養

退職代行を利用した場合、申込み翌日から出勤不要になります。有給消化期間中は十分に休養を取り、体力・精神力を回復させることが最優先です。健康保険・年金の切り替え手続き(退職翌日から14日以内)も忘れずに。

2

Month 1:自己分析+方向性決定

「PT職場を変えるのか」「異業種に転職するのか」を決める時期です。PT継続なら回復期病院・クリニック・訪問リハに強い転職エージェントへ登録を。異業種なら医療機器メーカー(MR・技術サポート)・福祉用具専門相談員・スポーツジムトレーナーが知識を活かしやすい転職先です。内部リンク先の理学療法士の転職先おすすめ記事も参考にしてください。

3

Month 2:応募・面接対策

エージェントを通じて求人に応募。「1年以内の転職理由」の伝え方を準備することが重要です。推奨フレーズ:「より専門性の高い環境でリハビリ技術を磨きたいと考え、転職を決意しました」——ネガティブな理由をポジティブに言い換える練習をしておきましょう。

4

Month 3:内定〜入職準備

内定後は入職日・給与・残業時間を改めて確認します。「辞めた職場と同じ失敗を繰り返さない」ために、面接時に職場の雰囲気・残業実態・スタッフの定着率を必ず質問しましょう。

失業給付について
自己都合退職の場合、離職後7日間の待機期間+2ヶ月の給付制限があります(2025年10月以降の法改正で1ヶ月に短縮される方向で議論中)。新卒で被保険者期間が短い場合は給付対象外になることもあるため、ハローワークで確認を。有給消化中に次の職場を決めることが最もリスクの少ない選択です。

よくある質問(FAQ)

Q 理学療法士の新卒が1年以内に辞めると転職に不利ですか?
A PT専門の転職エージェントに登録すれば、1年以内の転職でも多くの求人を紹介してもらえます。「なぜ辞めたか」を前向きに言語化できれば採用に大きく影響しません。むしろ体調を崩してからでは転職活動そのものが困難になるため、早めの決断が有利なケースもあります。
Q 退職代行を使うと病院側に悪印象を与えますか?
A 退職代行の利用は法的に問題ありません。職場との関係が悪化することはありますが、退職後に職場との関わりが続くことはほぼないため、実害は少ないです。引き止めや精神的消耗のリスクを考えると、退職代行を使う判断は合理的と言えます。
Q 退職代行を使っても有給休暇は消化できますか?
A 労働組合または弁護士が運営する退職代行サービスであれば、有給消化の交渉が可能です。退職代行JOBS・わたしNEXT・男の退職代行はいずれも有給申請サポートを無料で行っています。有給残日数が多い場合は、有給消化で受け取れる給与が退職代行費用を大幅に上回ります。
Q 退職後に理学療法士免許は失効しますか?
A 退職しても理学療法士の国家資格は失効しません。いつでも再就職・復帰が可能です。ただし、2年以上のブランクがある場合は復帰研修を活用すると現場への適応がスムーズになります。
Q 理学療法士から異業種に転職する場合、どんな職種が向いていますか?
A 身体機能・運動の知識を活かせる医療機器メーカー(営業・技術サポート)、福祉用具専門相談員、フィットネストレーナー、治験コーディネーター(CRC)などが人気です。また、コミュニケーション能力を活かして医療系人材紹介会社のコンサルタントに転職するケースも増えています。

まとめ

この記事のポイント

  • 理学療法士の平均勤続年数は6.1年。新卒1年目で辞めたいと思うのは珍しくない
  • 心身に症状が出ているなら、今すぐ退職を検討することが最優先
  • 退職代行を使えば、フローチャートの診断結果をそのまま行動に移せる
  • 退職代行費用(26,000〜27,500円)は有給消化で取り戻せるケースが多い
  • 「患者さんがいるから辞められない」は感情論。法的には2週間前の申告で退職可能
  • PT資格は退職しても失効しない。異業種転職・職場変更どちらでも選択肢は広い
  • 退職後3ヶ月の計画的なロードマップで、次の職場でのやり直しが可能

辞めたいという気持ちは、あなたが弱いのではなく、職場環境・条件に問題がある場合がほとんどです。まずは退職代行サービスへの無料相談から、一歩を踏み出してみてください。相談したからといって必ず退職しなければならないわけではなく、自分のペースで考えを整理できます。

同じような悩みを持つナースリーの関連記事として、理学療法士の転職先おすすめ一覧看護師辞めたい新卒向けガイドもぜひ参考にしてください。

ナースリー編集部
ナースリー編集部 転職支援のプロが監修

看護師・介護士・薬剤師など医療・ヘルスケア領域の転職情報を専門に発信。キャリアアドバイザーとして医療従事者の転職支援に携わり、求人事業の立ち上げ・運営にも携わったメンバーが、現場で得たリアルな知識をもとに執筆・監修しています。

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