「志望動機に何を書けばいいか分からない」「例文を使ったら採用担当者に見抜かれないか不安」——看護師の転職活動で、志望動機は多くの人が最も悩む部分です。
採用担当者が志望動機で見ているのは「なぜうちの病院・施設か」という具体性と下調べです。「看護師として成長したい」「患者さんの力になりたい」という一般的な文言だけでは、他の応募者と差がつきません。
この記事では、採用担当者の評価ポイントを押さえたうえで、転職先別(病院・クリニック・訪問看護・老健など)と転職理由別(夜勤解消・スキルアップ・育児両立など)の例文を計24本紹介します。そのまま使うのではなく、自分の言葉に置き換える土台として活用してください。
目次
本記事で紹介する転職先は非公開求人も多いため、業界特化の転職エージェントに登録しておくとスムーズです。
スカウト機能で非公開求人にもアクセス
医療・介護・歯科の求人を網羅。
会員登録で非公開求人にもアクセス可能。
採用担当者が志望動機で見るポイント
多くの履歴書・面接を見てきた採用担当者が志望動機で確認していることは、主に3点です。
1. 長く勤めてくれる人かどうか
看護師の採用・育成にはコストがかかります。採用担当者は「なぜこの職場を選んだか」という志望理由から、「ここで長く働き続けてくれそうか」を判断します。「転職回数が多い」「すぐに辞めそう」という印象を与えないためにも、長期的に働くイメージが伝わる内容にすることが重要です。
2. 具体的な下調べをしているか
「御院の理念に共感しました」という一文だけでは不十分です。「御院が力を入れている〇〇ケア(またはチーム体制・地域連携)に惹かれた」という具体的な内容が含まれていると、「ちゃんと調べて応募してきた信頼できる人」という印象になります。
3. ポジティブな前向きさが伝わるか
「前の職場がつらかった」「夜勤が嫌だった」という後ろ向きな理由をそのまま書くのは避けてください。「〇〇に取り組みたい」「〇〇ができる環境で働きたい」という前向きな表現に変換することで、採用担当者に「前向きな人材」という印象を与えられます。
採用される志望動機の「3つの型」
看護師の志望動機には、採用されやすい「型」があります。以下の3パターンを使いこなせると、どんな職場への応募にも対応できます。
型①:経験→気づき→志望先での目標
「これまでの経験(事実)→そこで感じた気づき・課題→志望先でそれを解決・発展させたい」という流れです。最もオーソドックスかつ採用担当者に伝わりやすい構成です。
【型①の構成】
「〇〇病院の△△病棟で○年間、☆☆の経験を積みました。その中で〜という課題(または気づき)を持ちました。御院(御施設)では〜に取り組んでいると伺い、そこで〇〇を実現したいと考え、志望いたしました。」
型②:きっかけ→動機→志望先との一致
転職のきっかけ(ライフイベントや体験)から始まり、それが志望先の特徴と一致していることを示す型です。特に「育児」「介護」「引越し」など生活環境の変化が理由の場合に自然です。
型③:スキルアップ目的型
「これまで身につけたスキルを発展させたい」「新しい専門分野に挑戦したい」という動機を軸にする型です。急性期→専門外来・手術室など、専門性の深化を目指す場合に有効です。
転職先別・例文集
例文①:急性期病院への転職
「クリニックでの勤務を通じて外来看護の経験を3年間積みましたが、より高度な看護技術を身につけたいという気持ちが強くなりました。御院は地域の三次救急を担う急性期病院として、多職種チームによる高度医療を提供していると伺っています。急変対応や重症患者の看護に直接携わりながら、専門的なスキルを磨いていきたいと考え、志望いたしました。」
例文②:クリニックへの転職(急性期病院から)
「総合病院の内科病棟で7年間、急性期看護を経験してきました。退院後の患者さんの療養生活が気になることが多く、継続的に患者さんと向き合える環境で働きたいと考えるようになりました。御院は地域密着型のクリニックとして、患者さんの生活を長期にわたってサポートされていると拝見しました。専門的な知識をもちながら、患者さんに寄り添う看護を実践したいと志望いたしました。」
例文③:訪問看護への転職
「急性期病棟で5年間勤務する中で、患者さんが退院された後の生活に疑問を持つことが増えました。祖母が訪問看護サービスを利用するようになったことをきっかけに、在宅医療の重要性を身近に感じました。御院の訪問看護ステーションは地域の多職種連携に積極的に取り組んでいると伺い、退院後の患者さんの生活を継続的に支える看護に携わりたいと考え、志望いたしました。」
例文④:慢性期・療養型病院への転職
「急性期外科病棟で術前・術後管理を5年間担当してきました。一通りの経験を積む中で、より一人ひとりの患者さんとじっくり向き合った看護がしたいという気持ちが芽生えました。御院では慢性疾患を抱えながら生活される患者さんに対し、長期的な視点でケアを提供されていると伺っています。生活の質を重視した看護に注力したいと考え、志望いたしました。」
例文⑤:特別養護老人ホームへの転職
「病院勤務の中で、終末期の患者さんと関わる機会が増え、「その人らしい最期を支えること」の重要性を実感しました。御施設は看取り介護に丁寧に取り組んでいると伺い、ご入居者一人ひとりの意思を尊重した終末期ケアに携わりたいと考えています。医療処置の頻度は病院より少なくなりますが、生活の継続性を支える看護を実践したいと考え、志望いたしました。」
例文⑥:精神科病棟への転職
「一般病棟での勤務を通じて、身体疾患の背後にメンタル面の問題を抱えている患者さんが多いことを実感してきました。精神看護の専門知識を体系的に学びたいと考えるようになり、精神科看護に特化した御院での勤務を志望いたしました。患者さんの回復を多面的に支えるケアを実践しながら、専門知識を深めていきたいと考えています。」
面談予約でスピーディに転職活動を開始
看護師・准看護師・助産師・保健師専門の転職支援。
面談予約から最短で転職活動を開始できる。
転職理由別・例文集
例文⑦:夜勤解消・日勤のみ希望
「病院の内科病棟で8年間勤務し、夜勤を含めたフルタイムで看護の基礎を身につけてきました。子どもの誕生を機に、育児との両立を考え日勤帯の勤務に変えたいと考えるようになりました。御院は外来専門で日勤のみの体制と伺い、これまでの看護経験を活かしながら、安定した生活リズムで長期勤務できると判断し、志望いたしました。」
例文⑧:育児・家庭との両立
「出産後、育児と仕事を両立するうえで勤務体制を見直す必要が生じました。御院は産育休からの復職実績が多く、短時間正社員制度が整っていると伺っています。これまでの看護経験を継続して活かしながら、育児との両立を長期にわたって実現できる職場で働きたいと考え、志望いたしました。」
例文⑨:スキルアップ・専門性を深めたい
「外科病棟での勤務を通じて術後ケアの経験を積んできましたが、さらにストーマケアや褥瘡管理の専門知識を深めたいと考えるようになりました。御院は皮膚・排泄ケア認定看護師が在籍し、院内研修制度も充実していると伺っています。専門性を高める環境で継続的にスキルアップしながら、将来は認定看護師資格の取得も目指したいと考え、志望いたしました。」
例文⑩:勤務地・通勤の変化(引越し・結婚)
「結婚に伴い、〇〇市へ転居することになりました。前職では△△病院で循環器内科の看護師として5年間勤務してきました。御院は〇〇市で循環器疾患に力を入れた地域の中核病院であり、これまでの経験を最大限に活かせる職場と判断し、志望いたしました。新生活と仕事の両立を図りながら、長期にわたり地域医療に貢献したいと考えています。」
例文⑪:急性期から緩和ケアへ
「急性期病棟で10年間勤務する中で、終末期を迎える患者さんやご家族を支える場面を多く経験しました。「治す看護」だけでなく「支える看護」への思いが強まり、緩和ケアに専念できる環境で働きたいと考えるようになりました。御院の緩和ケア病棟は多職種チームによる全人的ケアに定評があると伺っています。患者さんとご家族の最善を支えるケアに携わりたいと考え、志望いたしました。」
例文⑫:保育園・学校看護師への転職
「病院勤務で培った処置技術・感染管理の知識を、地域の子どもたちの健康管理に活かしたいと考えるようになりました。御園では看護師が保護者・保育士と連携しながら児童の健康を日常的にサポートされていると伺っています。専門知識を活かしながら、子どもの成長を身近で支えることができる環境で働きたいと考え、志望いたしました。」
NG例文と改善パターン
NG①:条件面だけを理由にする
- 「給与が高いため志望しました」
- 「残業が少ないと聞いて応募しました」
- 「家から近いため志望しました」
→ 条件は「なぜここで働きたいか」の補足材料にとどめ、メインの理由は看護観・成長意欲・志望先の特徴への共感にしましょう。
NG②:前の職場への不満をそのまま書く
- 「前の病院は人間関係が悪く、働き続けるのが辛くなったため転職を決意しました」
- 「上司と合わなかったため辞めました」
→ 転職理由をポジティブに変換してください。「人間関係の問題」→「より連携を重視した職場で働きたいと考えた」のように表現を変えましょう。
NG③:抽象的すぎて他院でも使える内容
- 「患者さんに寄り添った看護がしたいと思い、志望しました」
- 「看護師として成長したいと考え、応募しました」
→ 「御院の〇〇という取り組み(特徴)に惹かれた」という固有の要素を必ず含めてください。志望先のホームページ・求人票を読み込んで、一行でも具体的な情報を入れることが差別化につながります。
例文をそのまま使うのは危険
採用担当者は毎日多数の志望動機を読んでいます。例文からコピーした内容は多くの場合「見抜かれる」と認識してください。本記事の例文は「構成と表現の参考」として使い、固有名詞・具体的なエピソード・志望先特有の情報は自分で書き直してください。
スカウト機能で非公開求人にもアクセス
医療・介護に特化した求人サイト。
無料登録で好条件の非公開求人も紹介。
志望動機をブラッシュアップする3つの方法
1. 志望先のホームページを熟読する
採用担当者に「下調べしている」と思わせるには、志望先特有の情報を1〜2つ盛り込むことが効果的です。確認すべき情報は「理念・ビジョン」「力を入れているケア・診療科・チーム医療」「最近のニュース・取り組み」です。
2. 「なぜここでなければならないか」を一言で答えられるようにする
志望動機を書いた後、「なぜ他の病院ではなくここに応募したのか?」と自問してみてください。明確に答えられない場合、志望動機に具体性が足りていないサインです。「御院の〇〇という特徴」が志望理由の核になっているかを確認してください。
3. 転職エージェントに添削してもらう
看護師専門の転職エージェントは志望動機の添削を無料で行っています。応募前に1〜2回フィードバックをもらうだけで、採用率が上がるケースは多いです。看護師の転職サービス比較も参考に、エージェント選びから始めてみてください。
よくある質問
志望動機は何文字(何行)書けばいいですか?
履歴書の場合は200〜300字、面接での口頭回答なら1〜2分(200〜300字相当)が目安です。長すぎると要点が伝わりにくくなります。「採用担当者が30秒以内に読み取れる内容に絞る」という意識で書くと読みやすくなります。
転職理由を「夜勤が体力的に辛いから」と正直に言ってもいいですか?
ネガティブな理由をそのまま伝えるのは避けてください。「夜勤が辛い」は「日勤帯でより深く患者さんと関わりたい」「生活リズムを整えて長期的に働きたい」のようにポジティブな表現に変換してください。面接官は転職理由の「建て前」と「本音」が異なることを知っています。大切なのは、ポジティブな動機が伝わることです。
転職回数が多くても志望動機で挽回できますか?
一定程度は可能です。転職ごとに「何を目的に移ったか」というキャリアの一貫性が見えれば、転職回数が多くても評価が逆転することがあります。また「今回は長期勤務を前提にしている」という意志を志望動機と行動実績(研修参加・資格取得など)で示すことが重要です。
看護師の転職活動期間はどれくらいかかりますか?
看護師の有効求人倍率は2倍超の売り手市場が続いており、転職活動は早ければ1〜2ヶ月で完了します。ただし、特定の診療科・働き方(夜勤なし・時短)にこだわると求人が絞られるため、2〜3ヶ月程度を見ておくと安心です。在職中から動き始めることをすすめます。
面接で「なぜこの病院を選んだか」と「転職理由」はどう違いますか?
「転職理由」は「なぜ前の職場を辞めるか(辞めたか)」への回答、「志望動機」は「なぜこの病院を選んだか」への回答です。面接では両方が聞かれます。転職理由はポジティブに変換し、志望動機では「この病院でなければならない理由」を具体的に説明することで、一貫したメッセージを伝えられます。
まとめ:採用される志望動機を書くための5ステップ
- 志望先のホームページを熟読し、固有の特徴(取り組み・チーム体制・理念)を把握する
- 「型①:経験→気づき→目標」を基本に、自分のエピソードを当てはめる
- 転職理由はネガティブをポジティブに変換する(「夜勤が辛い」→「日勤でより深く患者に関わりたい」)
- 「なぜ他の病院でなくここか?」を一言で答えられる内容にする
- 転職エージェントに添削してもらい、客観的な視点でチェックする
志望動機は「自分をアピールする文書」ではなく「この職場で長く活躍する根拠を示す文書」です。採用担当者に「うちで活躍してくれそう」と思わせることが目標です。夜勤なし看護師への転職を検討している方はこちらも参考にしながら、転職先の絞り込みと並行して志望動機を仕上げてください。以下のサービスでは、業界に特化した無料の転職相談が可能です。
スカウト機能で非公開求人にもアクセス
医療・介護に特化した求人サイト。
無料登録で好条件の非公開求人も紹介。



コメント