歯科衛生士の退職理由8種|院長への伝え方と次の職場で確かめる点【2026年版】

悩みを解消する

辞めたい理由はいくつもあるのに、院長の前で何と言えばいいのか分からない。今の職場を辞めて次で同じ失敗をしないか、それも心配。勤続2〜10年目の歯科衛生士から多いのが、この2つの悩みです。

日本歯科衛生士会の最新調査では歯科衛生士の80.8%が転職を経験しており、診療所に常勤で勤める人が職場を変えた主な理由の1位は「経営者(院長)との人間関係」でした。院長に本音を全部話す必要はありません。伝える理由は1つに絞り、残りの本音は次の職場選びの条件に回すのが、揉めずに辞めて転職で失敗しない近道です。

この記事では、本音の退職理由8種を「院長に伝える言い方」に変える表、引き止めへの切り返し、有給・賞与・保険の手続き、理由ごとに次の職場で確かめる点を順に説明します。院長と話せない状態なら、フローチャートの先で退職代行の選び方も紹介します。

歯科衛生士が退職理由を整理しながら手帳に書き出している場面

歯科衛生士の退職理由は「本音」と「1つ選ぶなら」で順位が変わる

日本歯科衛生士会は5年ごとに会員の勤務実態を調べています。2024年に行った第10回調査(回答5,385人)では、勤務先を変えた経験がある人は80.8%で、前回(2019年)の76.4%から増えました。4回以上変えた人も22.3%います。

この調査は退職理由を2通りの聞き方でたずねています。当てはまるものを全部選ぶ「複数回答」と、いちばん大きな理由を1つだけ選ぶ「主な理由」です。並べると、辞めた人の頭の中がよく分かります。

退職理由 当てはまる理由すべて
(全体)
主な理由1つ
(全体)
主な理由1つ
(診療所・常勤)
出産・育児33.8%14.7%11.0%
経営者(院長)との人間関係33.2%13.1%18.1%(1位)
結婚32.4%11.5%9.1%
給与・待遇の面32.3%6.8%8.8%
勤務形態・勤務時間31.8%––
仕事内容29.6%5.4%4.7%
仕事内容のレベルアップのため25.7%7.9%6.2%

出典:公益社団法人日本歯科衛生士会「第10回 歯科衛生士の勤務実態調査報告書」(令和7年3月)図4-11・図4-12・表4-2(「-」は主な理由の上位7項目に入っていないもの。2026年10月確認)

複数回答では上位5つがどれも3割台で、ほぼ横並びです。つまり辞める人の多くは、院長との関係も、給料も、勤務時間も、少しずつ不満を抱えています。ところが1つに絞らせると、いま診療所に常勤で勤める人では院長との人間関係が18.1%で抜けて1位になります。病院勤務の人(10.5%)と比べると、歯科医院ほど院長との相性が退職の決め手になりやすいことが分かります。

この記事の立場:辞める理由は1つでよい

本音が5つあっても、院長に伝えるのは1つで足ります。全部を並べると「では給料を上げる」「勤務時間を変える」と1つずつ潰され、引き止めの材料を渡すことになるからです。残りの本音は捨てるのではなく、次の職場を選ぶ条件として使います。

なお、年収に不満がある常勤の歯科衛生士は38.8%で、前回の33.1%から増えています。診療所の常勤で最も多い年収帯は300万〜400万円(41.1%)です。給与の不満は珍しいものではありませんが、院長への退職理由としては使いにくい理由でもあります。次の章で、その理由も含めて変換のしかたを説明します。

出典:公益社団法人日本歯科衛生士会「第10回 歯科衛生士の勤務実態調査報告書」第2章 調査結果の総括

知恵袋に多い「院長が怖い」「先輩がきつい」といった具体的な相談と、退職代行3社の詳しい比較は歯科衛生士の辞めたい相談まとめで扱っています。1年目で迷っている人は新卒歯科衛生士向けの記事を先に読んでください。

本音→院長に伝える理由→面接の言い換え|8種の変換表

本音を院長向けの言葉に変えるときの基準は1つです。院長が「直すから残って」と言えない理由にすること。職場への不満は改善を約束されると断りにくくなります。自分の今後の方向や家庭の事情のように、職場では変えられない理由に置き換えます。

本音の退職理由 院長に伝える理由(例) 面接での言い換え(1行)
院長と合わない・叱責がつらい 「今後の働き方を考え、別の環境で経験を積みたいと考えました」 チームで相談しながら患者さんを診る医院で働きたい
先輩・同僚との関係がしんどい 「自分の力を試せる環境に移りたいと考えています」 教育体制が整い、役割が明確な職場で成長したい
給料が上がらない・昇給がない 「将来の生活を考え、働き方を見直すことにしました」 担当制で成果が評価に反映される職場で長く働きたい
残業・片付けが長い、休みが取れない 「家庭の事情で、勤務時間を見直す必要が出てきました」 時間内に質の高い処置をする働き方を続けたい
アシスタントや受付ばかりで衛生士業務ができない 「歯科衛生士として予防処置の経験を深めたいと考えました」 SRPやメインテナンスを中心に専門性を磨きたい
学びの機会がない・成長できない 「〇〇(予防・訪問・矯正など)の分野を学びたいと考えています」 〇〇分野の症例に関わり、認定資格も目指したい
結婚・妊娠・育児で続けられない 「結婚(出産・転居)に伴い、勤務を続けることが難しくなりました」 生活が落ち着いたので、時短で長く続けられる職場を選びたい
心身ともに限界・眠れない 「体調を崩しており、医師とも相談して退職を決めました」 体調を整えたうえで、無理なく続けられる環境を選びたい

面接での伝え方の例文は、ここでは1行にとどめます。志望動機につなげる言い方や、聞かれやすい質問への答え方は歯科衛生士の転職理由を面接で伝える例文集と志望動機の書き方にまとめています。

伝える理由を1つに絞る3ステップ

本音を全部紙に書き出す

院長の口調、昇給のなさ、片付けの長さなど、思いつく順でかまいません。調査でも辞める人の不満は複数あるのが普通です。

「職場が直せるもの」と「職場では直せないもの」に分ける

給与・勤務時間・業務分担は職場が直せる側、結婚・転居・学びたい分野・体調は直せない側です。

直せない側から1つ選び、院長に伝える理由にする

直せる側の本音は、次の職場で確かめる条件のリストに移します(後半の転職ロードマップで使います)。

院長に言ってはいけない退職理由

  • 「院長のやり方についていけません」など院長個人への批判(感情的な対立になり、残りの勤務がつらくなる)
  • 「お給料が低いので」だけを理由にする(昇給の提示で引き止められやすい)
  • 「〇〇さん(先輩)が嫌で」と同僚の名前を出す(院内に広まり、引き継ぎ期間の居心地が悪くなる)
  • 「もっと良い医院が見つかったので」と転職先を比べる言い方(転職先を詮索されるきっかけになる)
  • 事実でない家庭の事情を作り込む(話が大きくなるほど、地域の歯科医院のつながりで食い違いが出やすい)

転職先が決まっている場合も、医院名まで言う必要はありません。「次の勤務先は決まっています」で十分です。

状況別フローチャート|自分で伝えるか、代行に頼むか

言い方を整えれば辞められる人と、言い方の問題ではない人がいます。次の質問に順に答えてください。

Q1. 院長と2人で落ち着いて話せる関係ですか?
↓
YES → Q2へ
NO(怒鳴られる・無視される・話すと体がこわばる)→ 自分で伝えなくてよい段階です。退職代行に相談を(下のカードへ)
↓
Q2. すでに退職を申し出て、引き止められていますか?
↓
NO → 変換表で理由を1つに絞り、就業規則の期限より前に面談を申し込む。自分で辞められる可能性が高い
YES → Q3へ
↓
Q3. 申し出から1か月以上たつのに、退職日が決まっていませんか?
↓
NO → 引き止めトーク対抗マニュアルで切り返し、退職日を書いた退職届を出す
YES → Q4へ
↓
Q4. 有給を使わせない・残業代が出ていない・ハラスメントがある、のどれかに当てはまりますか?
↓
NO → 労働組合と連携した退職代行(JOBS・わたしNEXT)で、退職日と有給の消化を伝えてもらう
YES → 未払いのお金を取り戻したいなら弁護士法人(ZEN・ガイア)へ。交渉と請求まで任せられる

院長に言えない歯科衛生士へ|4サービスから1分で選ぶ

フローチャートでNOが出た人、引き止めが1か月以上続いている人は、代わりに伝えてもらう方法があります。相談はどこも無料です。

※料金は2026年10月4日時点の各社公式情報(税込)。わたしNEXTは正社員の料金で、アルバイト・パートは18,800円+組合費1,000円。弁護士法人ガイアは伝えるのみのプランで、未払い残業代の請求は別途成功報酬。PR

退職時期と手続き|就業規則・有給・賞与・保険

退職理由が決まったら、次は「いつ言うか」です。歯科医院は衛生士が1人抜けるとアポイントの組み直しが必要になるため、時期の決め方で揉めやすくなります。

申し出の期限:就業規則の1〜2か月と、民法の2週間

多くの歯科医院は就業規則で「退職の1か月前(または2か月前)までに申し出る」と決めています。円満に辞めたいなら、この期限は守ったほうが無難です。

一方で民法627条は、期間の定めのない雇用(いわゆる正社員)について、退職を申し入れてから2週間で雇用が終わると定めています。院長が退職届を受け取らない、退職日を決めてくれないといった場合でも、申し入れから2週間たてば辞められるというのが法律上の扱いです。

出典:e-Gov法令検索「民法」第627条

有給休暇:退職前にまとめて使える

有給休暇は労働基準法39条で認められた権利です。医院側には「忙しい時期なので別の日にして」と時季を変えてもらう権利がありますが、退職日より後に振り替えることはできません。そのため退職前の有給消化は、実際には断れないものです。

引き継ぎで消化しきれない分を、医院が買い取ってくれることもあります。ただし買い取りは医院の義務ではないので、話し合いで決めます。消化の日程の組み方は歯科衛生士の退職前の有給消化で詳しく説明しています。

出典:e-Gov法令検索「労働基準法」第39条

賞与:「支給日に在籍」が条件かどうかを先に確認

就業規則や給与規程に「賞与は支給日に在籍している者に支払う」と書いてある医院では、支給日の前に辞めると賞与を受け取れません。院長の「ボーナスが出てから辞めたら?」は引き止めに聞こえますが、規程によってはあなたの得になる提案です。支給日と査定期間を確認してから退職日を決めましょう。

退職金は、診療所の常勤で「制度がある」と答えた人が61.6%にとどまります(日本歯科衛生士会 第10回調査)。もらえる条件の調べ方は歯科衛生士の退職金の相場を参考にしてください。

健康保険:歯科医師国保の人は切り替えに注意

歯科医院で働く人の健康保険は、協会けんぽ・健康保険組合のほか、歯科医師国保(歯科医師国民健康保険組合)のこともあります。どれに入っているかで、退職後の手続きが変わります。

今の保険 退職後の選択肢 期限の目安
協会けんぽ・健康保険組合 次の職場の保険/任意継続/市区町村の国保/家族の扶養 任意継続は退職日の翌日から20日以内
歯科医師国保 次の職場の保険/市区町村の国保/家族の扶養(任意継続の仕組みはない) 市区町村の国保は資格を失った日から14日以内

出典:全国健康保険協会「会社を退職するとき」

次の職場に退職日の翌日から入るなら、保険は次の職場で入り直すだけです。1日でも空く場合は、空いた期間の保険をどうするかを退職前に決めておきます。歯科医師国保の資格喪失の届け出や資格確認書の返却のしかたは組合ごとに違うので、事務長か院長に「手続きの書類はいつもらえますか」と聞いておくと安心です。

失業給付:自己都合でも待つ期間は原則1か月

2025年4月1日以降に自己都合で辞めた場合、失業給付の給付制限は原則1か月です(以前は2か月)。7日間の待期期間のあと1か月で受給が始まるので、退職後に少し休んでから転職先を探す選択もとりやすくなりました。離職票は退職後に医院から届くので、発行を忘れずに頼んでおきます。

出典:厚生労働省「令和7年4月1日以降に離職された方の給付制限期間について」

退職までのスケジュール例(就業規則が「2か月前」の場合)

時期 やること
退職3か月前就業規則で申し出期限・賞与の支給条件・退職金の規程を確認。有給の残日数を給与明細などで調べる
退職2か月前院長に面談を申し込み、理由を1つに絞って伝える。退職日を書いた退職届を出す
退職1か月半前〜担当患者さんの記録整理、メインテナンス周期の一覧づくりなど引き継ぎ
最終出勤の前有給を消化。保険の切り替え方法と離職票の発行を確認
退職日資格確認書(保険証)・鍵・ユニフォームを返却。次の職場へ

歯科医院の引き止めトーク対抗マニュアル

歯科医院は院長1人に衛生士が数人という小さな職場が多く、1人辞めるとアポイントが回らなくなります。引き止めが強くなるのはそのためで、あなたが悪いわけではありません。よく出るトークと、言い返し方をまとめました。

診療後の歯科医院で歯科衛生士が院長と退職の面談をしている場面
院長の言葉 切り返し例 知っておく事実
「代わりの衛生士が見つかるまで待って」 「採用の時間が取れるよう、規則より早めにお伝えしました。〇月〇日までは責任を持って勤めます」 後任の採用は医院の仕事です。待つ期限を決めない約束はしない
「担当の患者さんはどうするの?」 「記録とメインテナンスの予定を一覧にして、〇〇さんに引き継ぎます」 引き継ぎ資料を先に作って見せると、話が前に進みやすい
「今辞めるなんて非常識だ」「育ててやったのに」 「お世話になったからこそ、規則どおりの期間を空けてお伝えしています」 就業規則の期限を守っていれば、非常識と言われる理由はない
「給料を上げるから残って」 「ありがたいお話ですが、理由はお金ではないので、気持ちは変わりません」 伝えた理由を給与以外にしておくと、この提案が効かなくなる
「ボーナスが出てから辞めたら?」 (規程を確認して得なら)「ではその日程で調整します」/(損なら)「予定どおり〇月で退職します」 支給日在籍の条件と査定期間しだい。規程を見てから決める
「有給は使わせない」「辞めるなら損害賠償」 「有給は法律上の権利なので、退職日までに消化します」とだけ伝え、それ以上は議論しない 有給の拒否は労基法違反の疑い。脅しが続くなら弁護士に任せる段階

切り返しのコツは「理由を足さない」こと

引き止められると、説得のために本音を1つずつ足したくなります。足すたびに「それなら直す」と返され、話が振り出しに戻ります。最初に伝えた1つの理由と退職日だけを、言葉を変えずに繰り返してください。

看護師向けですが、引き止めの断り方の型は看護師の退職の引き止めの断り方も参考になります。2回伝えても退職日が決まらない、怒鳴られて話にならない場合は、自分で続けるより退職代行に任せたほうが早く終わります。

実質コストシミュレーション|有給の日数と退職代行の費用

退職代行の費用は2万〜3万円台が中心です。高く感じるかもしれませんが、引き止めで有給を使えずに辞めた場合に失うお金と比べると見え方が変わります。

ここでは、診療所の常勤で最も多い年収帯(300万〜400万円)に近い「月給25万円(賞与を除く)・月の所定労働日数21日」で計算します。有給1日あたりの賃金は約11,900円です。

有給の残日数ごとの金額(日給 約11,900円)

有給5日約59,500円
有給10日約119,000円
有給15日約178,500円
有給20日約238,000円

退職代行の費用(2026年10月4日時点・税込)

わたしNEXT(正社員)21,800円+組合費1,000円
弁護士法人ガイア(伝えるのみ)25,300円〜
退職代行JOBS27,000円
有給5日分(約59,500円)との差約3万円以上のプラス

有給が5日残っていれば、どのサービスを使っても費用を上回ります。10日以上残っているなら、差はさらに大きくなります。弁護士法人ZENの料金は公式サイトで確認してください。未払い残業代の請求を頼む場合は、どの弁護士法人でも別に成功報酬がかかります。

代行を使わないほうがよい人もいます

院長と普通に話せて、有給も申請どおり使わせてもらえる職場なら、費用をかける必要はありません。この計算が当てはまるのは「有給を使わせない」「退職日を決めてくれない」と言われている場合です。引き止めで退職が1か月延びると、その間に次の職場の内定を逃すおそれもあります。

そのまま使えるLINEテンプレ

自分で伝える人向けの面談依頼と、退職代行に相談する人向けの文面を用意しました。〇の部分を書き換えて使ってください。

院長への面談依頼(自分で伝える人向け)
お疲れさまです。〇〇です。 今後の勤務についてご相談したいことがあり、15分ほどお時間をいただけないでしょうか。 診療後でしたら、〇日か〇日にお願いできると助かります。
退職代行への最初の相談(JOBS・わたしNEXT向け)
はじめまして。退職の相談をさせてください。 ・職種:歯科衛生士(常勤/勤続〇年) ・勤務先:個人の歯科医院(スタッフ〇人) ・状況:〇月に院長へ退職を伝えたが「代わりが見つかるまで」と言われ、退職日が決まっていません ・希望の退職日:〇月〇日 ・有給の残り:約〇日 ・医院から借りている物:ユニフォーム、ロッカーの鍵 院長と直接話さずに退職できるか、流れと費用を教えてください。
弁護士法人への相談(ZEN・ガイア向け/お金の請求がある人)
歯科衛生士として個人の歯科医院に勤めています。退職と未払い賃金について相談させてください。 ・診療後の片付けや器具の滅菌で毎日〇分ほど残っていますが、残業代は出ていません ・タイムカード(または勤務記録のメモ)は〇か月分あります ・退職を伝えたところ「辞めるなら損害賠償」と言われました ・有給の残り:約〇日 対応できる範囲と費用の目安を教えてください。

どの窓口でも、最初の相談は無料です。勤続年数や有給の残り日数は、分かる範囲で書けば十分です。

転職ロードマップ|退職理由別に次の職場で確かめる点

院長に伝えなかった本音は、ここで使います。辞めた理由と同じ問題がある職場を選ぶと、また同じ理由で辞めることになります。求人票で分かることと、見学や面接で聞かないと分からないことを分けて確かめましょう。

歯科衛生士が求人票を見比べながら次の職場の条件を確認している場面
辞めた本音 求人票で見るところ 見学・面接で聞くこと
院長・先輩との人間関係 歯科衛生士の在籍人数、医療法人か個人か、分院の有無 「衛生士さんの平均の勤続年数はどのくらいですか」「困ったときは誰に相談しますか」
給与が上がらない 昇給の実績(年〇円など具体的か)、担当制・指名料・歩合の有無、訪問歯科の手当 「自費のメインテナンスの割合はどのくらいですか」「昇給は何を基準に決まりますか」
残業・休みが取れない 最終受付の時刻、月の平均残業時間、有給取得の実績 「片付けは何時ごろに終わりますか」「有給はどのように申請していますか」
衛生士業務ができない 担当制か、予防・メインテナンス専用のユニット数、歯科助手の在籍 「衛生士さんが受付や助手業務に入る日はありますか」「1日に担当する患者さんは何人ですか」
スキルアップできない セミナー費用の補助、認定資格の取得支援、症例の分野(予防・矯正・インプラント・訪問) 「最近、衛生士さんが受けた研修は何ですか」「新しい処置を任されるまでの流れは」
結婚・出産・育児 時短勤務・扶養内パートの可否、産休・育休の取得実績、土曜の勤務条件 「お子さんがいる衛生士さんは何人いますか」「急な休みのときはどう回していますか」

辞める前後の動き方

退職を伝える1〜2か月前:条件リストを作り、求人を探し始める

上の表から自分に当てはまる行を選び、譲れない条件を3つまでに絞ります。

応募〜見学:表の質問を2〜3個持って行く

見学では、衛生士同士が話している様子や、診療後に何時まで電気がついているかも見ておきます。面接で聞かれやすい質問は歯科衛生士の転職面接の質問集で準備できます。

内定〜退職:入職日は退職日の翌日以降に

内定が出てから院長に伝えると、引き止めに揺れにくくなります。入職日は有給消化の終わりに合わせて交渉します。

しばらく休む場合:ブランクは短いほど戻りやすい

出産や体調で間が空く人は、ブランクがある歯科衛生士の求人の探し方を先に読んでおくと復帰の見通しが立ちます。

よくある質問

Q 院長に本当の退職理由を言わないのは失礼ではありませんか?
A 失礼にはあたりません。退職理由をすべて説明する義務はなく、就業規則の期限を守って退職日を伝えることが礼儀の中心です。うそをつく必要はありませんが、本音のうち職場では変えられない理由を1つ選んで伝えれば十分です。
Q 就業規則に「3か月前に申し出る」とあります。守らないといけませんか?
A 円満に辞めたいなら、できる範囲で守るほうが無難です。ただし期間の定めのない雇用では、民法627条により退職の申し入れから2週間で雇用は終わります。院長が退職日を決めてくれない場合は、2週間後の日付を書いた退職届を出す方法もあります。
Q パートの歯科衛生士でも退職理由や手続きは同じですか?
A 契約期間の定めがないパートなら、正社員と同じく申し入れから2週間で辞められます。半年や1年などの契約期間がある場合は、原則として期間の終わりに合わせて辞めますが、やむを得ない事情があれば途中でも退職できます。有給休暇はパートにも勤務日数に応じて付きます。
Q 短期間で何度も転職していると、次の職場で不利になりますか?
A 日本歯科衛生士会の第10回調査では、勤務先を4回以上変えた人が22.3%います。転職の回数だけで判断されることは少なく、面接では「なぜ辞めたか」より「次の職場で何をしたいか」を具体的に話せるかが見られます。辞めた理由と同じ問題がない職場を選んだことを説明できれば十分です。
Q 退職代行を使ったことは次の職場に知られますか?
A 退職代行を使ったことが、離職票や雇用保険の記録に書かれることはありません。前の職場に問い合わせが入ることもまれです。地域の歯科医院どうしでつながりがあるのが心配なら、面接では退職理由を前向きな言い方で話せば問題ありません。

まとめ:歯科衛生士の退職理由と転職の進め方

  • 歯科衛生士の80.8%が転職を経験。診療所の常勤が職場を変えた主な理由の1位は院長との人間関係(18.1%)
  • 辞める理由は複数あって当たり前。院長に伝えるのは、職場では変えられない理由1つでよい
  • 給与への不満だけを伝えると、昇給の提示で引き止められやすい
  • 申し出は就業規則の期限が目安。退職日を決めてもらえないときは民法627条の2週間が効く
  • 有給は退職前に消化できる。賞与は支給日在籍の条件を、保険は歯科医師国保かどうかを先に確認
  • 伝えなかった本音は、次の職場で確かめる条件リストに回す
  • 院長と話せない、引き止めが1か月以上続く場合は、退職代行に任せたほうが早く終わる

辞めたい理由がいくつもあるのは、それだけ今の職場で我慢を重ねてきたということです。理由を1つに絞って伝え、残りは次の職場を選ぶ物差しにしてください。自分で伝えるのが難しいと感じたら、無料相談で状況を話すだけでも、次に何をすればよいかがはっきりします。

ナースリー編集部
ナースリー編集部 転職支援のプロが監修

看護師・介護士・薬剤師など医療・ヘルスケア領域の転職情報を専門に発信。キャリアアドバイザーとして医療従事者の転職支援に携わり、求人事業の立ち上げ・運営にも携わったメンバーが、現場で得たリアルな知識をもとに執筆・監修しています。

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