「志望動機の書き方が分からない」「例文を参考にしたいけど、そのまま使っていいの?」——転職経験の少ない薬剤師にとって、志望動機はハードルが高く感じられます。
採用担当者が志望動機を通じて本当に知りたいのは「なぜ他社ではなく、ここなのか」という一点です。年収・立地・福利厚生といった条件面ではなく、この職場でしか実現できないことを語れているかどうかが合否に直結します。
この記事では、調剤薬局・ドラッグストア・病院・企業別の例文と、採用担当者が実際に評価するポイント・書いてはいけないNG例を具体的に解説します。
目次
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採用担当者が志望動機で評価する4つのポイント
マイナビ薬剤師の採用担当者向けコンテンツをもとに、志望動機で見られているポイントを整理します。志望動機の「書き方」より先に、「何を伝えるべきか」を理解することが重要です。
| 評価ポイント | 採用担当者が知りたいこと |
|---|---|
| ① 職場選びの明確性 | なぜ同業他社ではなく、この職場なのか。リサーチに基づいた具体的な理由があるか |
| ② キャリアビジョン | 現在のスキルと今後の目標が結びついているか。長期的に定着してくれそうか |
| ③ 貢献意欲 | 前職の経験を活かして、この職場にどう貢献できるか具体的に語れているか |
| ④ 転職理由の前向きさ | 退職理由をポジティブに言い換えられているか。前職の不満をそのまま書いていないか |
「活躍してくれるか」「一緒に働きたいか」が最終判断
採用担当者が最終的に判断するのは、スキルと意欲の両面。近年は「自ら積極的に行動できる人物かどうか」もチェック項目に入っています。受け身な印象を与えないよう、主体性が伝わる表現を選びましょう。
志望動機の3ステップ構成
志望動機は以下の3ステップで構成すると、採用担当者に伝わりやすくなります。
STEP 1|この職場に興味を持ったきっかけ(他社にない魅力と合わせて)
貴薬局の○○(地域密着型の在宅薬剤師制度・特定専門医療機関への注力など)に魅力を感じた理由を具体的に。「企業研究した」という姿勢が伝わることが重要。
STEP 2|自身の強みと過去経験のPR(即戦力アピール)
これまでの調剤経験・服薬指導件数・OTC対応経験・資格などを具体的な数字や事例とともに提示する。
STEP 3|採用後の決意・貢献イメージ
入社後にどんな貢献ができるか、どんな薬剤師として働きたいかを明記して締める。
この構成を守れば、採用担当者が「なぜここか」「何ができるか」「どう貢献するか」の3つの問いに答えられる志望動機になります。
職場別の志望動機例文
調剤薬局への転職
調剤薬局での志望動機は「地域医療への貢献」と「患者との長期的な関係」を軸にするのが効果的です。「なぜこの薬局チェーンなのか」という視点も欠かせません。
前職では大型病院の薬剤部に3年間勤務し、入院患者への服薬指導と処方箋管理を担当してまいりました。業務のなかで「退院後の患者が薬を正しく服用し続けられているか」という部分に関われないことへの課題感を持ち続けておりました。
貴薬局は地域の在宅訪問件数が多く、退院後の患者さんとの継続的な関わりが実現できる環境だと認識しています。私のこれまでの服薬指導経験を活かしながら、在宅薬剤師として地域医療の継続性に貢献したいと考え、志望いたしました。
ドラッグストアへの転職
ドラッグストアは調剤だけでなくOTC対応や健康相談も多いため、「幅広い業務への意欲」と「接客・提案を通した地域貢献」を前面に出します。
調剤薬局で4年間、処方箋調剤・服薬指導を中心に業務に携わってまいりました。業務を通じて、処方を受けていない段階の「健康相談」や「セルフメディケーション支援」の重要性を感じるようになり、OTC対応が充実した環境でより幅広く患者さまの健康に貢献したいと考えるようになりました。
貴社はOTC販売のトレーニング制度が整っており、第1類医薬品対応をしっかり学べる環境だと伺っております。調剤経験を土台にしながら、薬剤師としての業務範囲を広げていきたいと考え、応募いたしました。
病院薬剤部への転職
病院薬剤部はチーム医療への参画が大きな特徴です。「他職種連携」「高度な医療への貢献」というキーワードを意識した構成にします。
現在の調剤薬局勤務(5年)では、外来患者への服薬指導に注力してまいりました。一方で、入院患者の薬物療法に直接関わるチーム医療を経験したいという想いが強くなり、転職を決意いたしました。
貴院は消化器内科・外科の専門性が高く、チーム医療への薬剤師の関わりが活発だと伺っています。これまでの服薬指導経験・投薬歴管理の経験を基盤に、医師・看護師と連携しながら患者さまの治療に貢献できる薬剤師になることを目指しております。
製薬企業・CROへの転職
企業転職では「なぜ臨床現場を離れて企業に行くのか」という問いへの答えが求められます。キャリアの方向性の一貫性を示すことが重要です。
調剤薬局での6年間で多くの患者さまと接する中で、「個別の患者への貢献」だけでなく、「新薬の開発・普及を通じてより多くの患者に貢献したい」という気持ちが強くなりました。
貴社の治験コーディネート事業は、臨床現場出身の薬剤師が強みを活かせる環境だと考えています。服薬指導で培った患者コミュニケーション力と薬学知識を、被験者対応・試験管理に活用し、新薬の安全な開発に貢献したいと考え志望いたしました。
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状況別の書き方(転職理由・ブランク・転職回数)
転職理由がネガティブな場合(人間関係・残業・低賃金)
本音が「人間関係が悪かった」「残業が多かった」であっても、志望動機にそのまま書くのは逆効果です。ネガティブな理由をポジティブに言い換えるのが基本ルールです。
| 本音の転職理由 | ポジティブな言い換え |
|---|---|
| 人間関係が悪かった | チームワークを重視した職場でスキルをさらに高めたい |
| 残業が多くて疲弊した | 業務効率化・ライフワークバランスを整え、長期的に活躍できる環境で働きたい |
| 年収が低かった | スキルアップとともに責任ある業務を担い、実績に見合った評価を得たい |
| やりがいを感じられなかった | 在宅薬剤師など、より専門性の高い業務に挑戦したい |
ブランク・育休後の復職転職の場合
ブランクがある場合は、その期間を隠そうとせず、「今の自分の状況と志望の整合性」を明示することが大切です。「〇年のブランクがありますが、現在は△△を学び直しており、貴薬局の○○業務に即戦力として貢献できます」という構成で組み立てます。
転職回数が多い場合
転職回数が多くても、各転職に「一貫したキャリアの方向性」があれば問題にはなりません。「何度も転職してきたが、それぞれの経験で○○のスキルを積み、今回の志望先でそれを統合して貢献したい」という流れを作れると説得力が増します。
やってはいけないNG例5パターン
- インターネット例文のコピー:面接で深掘りされたとき矛盾が生じる。「自分の言葉で話せるか」が採用担当者のチェックポイントになる
- どの職場にも通用する汎用的な内容:「貴薬局の理念に共感しました」だけでは差別化にならない。その薬局・病院・企業の具体的な特徴に言及することが必須
- 給与・立地・福利厚生のみを理由にする:採用担当者に「条件さえよければどこでもいい人」と映る。条件面は応募動機にはなっても、志望動機には書かない
- 「学びたい」「成長したい」だけで貢献のイメージがない:受け身に見える。「学びたい」ではなく「○○を活かして△△に貢献したい」という能動的な表現に変える
- 前職や前の職場の批判・不満の記述:採用担当者に「この人も自社に不満を持ったらすぐ辞めるのでは」と思われる原因になる
最も多い失敗パターン:「自分の都合」中心の志望動機
「家から近い」「土日休みが取れる」「給与が上がる」といった自己都合中心の志望動機は、採用担当者に「うちじゃなくてもいいのでは」と判断されます。自分の希望ではなく「この職場に入ることで自分が何を提供できるか」を前面に出すことが重要です。
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転職理由と志望動機の使い分け方
「転職理由」と「志望動機」は別の質問です。混同して答えると、採用担当者に「何を伝えたいのか分からない」と感じさせてしまいます。
| 質問 | 答えるべき内容 | ポイント |
|---|---|---|
| 転職理由 (なぜ転職するのか) |
現職・前職を離れた理由。ネガティブな事実をポジティブに言い換えて答える | 「現職では限界がある」という面を論理的に説明する |
| 志望動機 (なぜここを選んだのか) |
複数の転職先候補のなかで、この職場を選んだ積極的な理由 | この職場でしか実現できないことを語る |
たとえば転職理由が「在宅薬剤師経験を積みたいが現職では機会がない」なら、志望動機は「貴薬局の在宅訪問件数・体制が整っている点に魅力を感じた」という構成になります。転職理由と志望動機がセットで一貫した物語を作れているかが重要です。
転職活動のタイミングや準備期間については薬剤師の転職タイミングはいつがベスト?も参考にしてください。
よくある質問
志望動機は履歴書と面接で同じ内容を話していい?
履歴書に書いた内容を面接で展開する形が基本です。履歴書の志望動機は要約版、面接では具体的なエピソードを加えながら深堀りする形で話すと良いでしょう。内容が矛盾すると信頼性が下がるため、両方で一貫性を持たせることが重要です。
志望動機の文字数・長さの目安は?
履歴書の場合は200〜400字が目安です。面接では1〜2分程度(300〜400字相当)で話せるよう準備しておくと良いでしょう。長すぎると要点が伝わりにくく、短すぎると誠意が感じられません。3ステップ(きっかけ→強みのPR→採用後の決意)で構成すると自然にまとまります。
第二新卒(1〜2年目)の場合、経験が少なくても大丈夫?
経験が少ない分は、「熱意」「学習意欲」「将来のキャリアビジョン」で補うのが第二新卒の戦略です。「これまでの○○という経験から△△を学んだ」という形でも、短期間の実績は十分に説得力を持てます。未経験に近い部分は「貴薬局の研修制度・サポート体制の下で早期に貢献できる状態を作る」という姿勢を示すと良いでしょう。
転職エージェントに志望動機を代筆してもらっていい?
添削・修正のサポートとして活用するのはOKですが、完全な代筆はおすすめしません。面接でその内容を「自分の言葉」で話せなければ、採用担当者に違和感を与えます。エージェントに構成のアドバイスをもらいながら、文章は自分で書くのが理想的な使い方です。
病院からドラッグストアへの転職は印象が悪い?
印象は悪くありません。「なぜドラッグストアを選んだか」という理由が明確であれば問題ありません。「セルフメディケーション支援・OTC対応を通じて地域の人々の日常的な健康管理に貢献したい」など、ドラッグストアならではの価値と自分のやりたいことが合致していることを示せれば、むしろ病院経験はプラス評価になります。
まとめ
- 採用担当者が見るのは「なぜここか」「何を提供できるか」「長く働けるか」の3点
- 志望動機は「きっかけ→強みのPR→採用後の決意」の3ステップで構成する
- 調剤薬局・ドラッグストア・病院・企業それぞれで強調すべき軸が異なる
- 給与・立地などの条件面だけを理由にするのはNG。「この職場でしか実現できないこと」を語る
- 転職理由(なぜ辞めるか)と志望動機(なぜここか)は別の質問。一貫したストーリーで繋げる
志望動機と並んで重要な準備が、面接での質問対策です。よく聞かれる質問と模範回答については薬剤師の転職面接でよく聞かれる質問と回答例で詳しく解説しています。以下のサービスでは、業界に特化した無料の転職相談が可能です。
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